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トランプ政権発足?
 
2017年1月26日 0時0分の記事

「トランプ政権発足?」の続きです。

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ボーダーとボーダーレス
もう一つポイントと感じたのはやはりボーダー(国境)というものです。メキシコとの国境のことが言われていますが、そもそも第二次大戦後の米国は、周辺国だけではなく、多くの国々をボーダーレスでその影響下においてきた覇権通貨国であったのです。しかし、その米国が今や自国のボーダーにこだわっているということなのです。つまりボーダーにこだわるというのは、もはや覇権通貨国ではないということをやはり意味するものと考えます。
また、このボーダーにこだわるところは、やはり「ボーダーレス」という言葉に対するアンチもあるでしょう。このボーダーレス(エコノミー)は90年代からはじまる新自由主義・トリクルダウンの中心的な概念です。ボーダーレスエコノミーの典型はTPPです。
日本ではこのTPPという国境をなくす政策を保守論壇や保守政治家と自称する現首相などがぶち上げてきました。このことが示す本質は、その人達は保守ではないと言うことです。保守がなぜ国境をなくし国の形を変えることを率先してするのか? その本質は、ボーダーレスエコノミーを志向する保守の仮面を政治的に偽装する新自由主義者であるということだけなのです。どうしてこのことがわからない保守層が多いのかいつも疑問に思います。また、スポンサーがグローバル資本のメディアもこの新自由主義・ボーダーレスエコノミーをずっと支持してきました。いずれにせよ、ボーダーレスについては、日本では大前研一さんが最初に言ったのではないかと思います。平成維新の会ですね。
この新自由主義への反意がこのボーダーにこだわる意識には明らかにあるよう思います。この意味するところは、ボーダーレスにしても、結局のところ大半の人々、例えば米国人、メキシコ人双方にとって恩恵にならないということです。その見識が米国には色濃くあると言うことなのです。このことについては、また後述します。

この就任演説での最大のポイント
トランプ新大統領の就任演説で最大のポイントは以下のところと考えます。

今まで世界が見たことのない動きが起きています。この動向の中心にあるのは、とても強い信念です。それは、国は国民に奉仕するために存在しているということです。
同上

実は、日本語にしてこの100文字に満たない言葉が、今の世界情勢の本質的な動き、本源をしめしています。私はこのことを『ザ・フナイ』の連載で1年半以上にわたり、思想的な意味、生命論、そして具体的な事象と全てを網羅して書いてきました。特に最新の三号(2017年1月号から3月号)には、米国を含めた世界の大きな変化の具体的事象とともにその意味と根底的思想を書きました。
トランプ氏はそのことがわかっているからこのように述べているのです。演説文を見る限りそう考えます。そうでないとこのような言葉の使い方はやはりできません。変な言い方になりますが、現状においてこの演説文を見る限り、トランプ氏が今の世界の流れと米国の置かれた立場を、今回の演説を分析した、もしくは読んだ世界の人々の中で一番わかっていると考えます。
もちろん、日本のメディアは総じてそのような視点はありません。わからないまま適当な解説を垂れ流していると現状は考えます。しかし、このポイントを取り上げないでトランプ新大統領の就任演説を解説しないのは、全くの無意味でであると考えます。世界は今まで見たことがない動きをして、その中にトランプ氏が大統領になった米国もあると言っているのですから、このポイントは絶対に外すべきものではなく、米国の今後の行く末を占う言葉と判断するのは当然です。もちろん、演説文を見る限りにおいてということですが。
そして、日本のメディアにおいてはこのことを思想的にカバーしきれない状況になっているのです。全くの不毛です。
上記文の前には以下の言葉があります。

本当に大切なことは、どの党が政権を握るかということではなく、政府が国民により統治されることです。2017年1月20日は、国民がこの国の治める日として、これからずっと記憶に刻まれるでしょう。この国の忘れ去られた人々は、もう忘れ去られることはありません。誰もが皆さんに耳を傾けています。何千万の人々が、歴史的な運動に参加しています。(同上

この二つの引用においてポイントは政治です。政治を大事にしようと言うことです。演説文の流れから判断すれば、人々や社会を不幸にする新自由主義・トリクルダウン、グローバル資本主義やボーダーレスエコノミーから離脱し、政治をしっかりと考えて行こうというのがこの演説文のポイントと考えます。しっかりと政治が行われ、社会が健全になるしか、人々に恩恵を与える健全な経済は成り立たないと言うことです。だから演説で「私たちは自分たちの生き方をすべての人に押し付けることはしませんが、模範として輝やかせたいと思っています」という文言になるわけです。そこにあるのは国益の押し付け合いではなく、世界においてまず政治を大事にしようということです。TPPを世界において率先してきた日本では、この当たり前のことは理解できないレベルまでになっているように考えます。
これは昨年、英国がEU離脱を判断したとき、EU離脱派がその離脱を『独立』という言葉をつかって表現したことと同じです。どこからの独立なのかということです。
しかし、日本のメディアでは当然、このことを認識・受け取ることはできません。なぜなら、そのスポンサーがまさにグローバル資本だからです。あまたある番組の提供者名を見ればそれは一目瞭然です。これは政治(与党)も同じです。そして、日本は何が本当に大事かもわからなくなっているというのが本質です。これは明らかに日本の弱さです。この弱さによって日本は今後、必然的に崩れていきます。
これらの他、トランプ氏には非常に際立った特徴が以下のようにあります。

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くる天

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○ 『餓死した英霊たち』

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先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

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◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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