安全宣言 | |
[日本の政治] | |
2017年12月25日 0時57分の記事 | |
安倍首相が、朝鮮半島情勢に関して平昌オリンピックがあるから韓国への渡航は安全と述べたことが報道されています。 「安倍首相、韓国への渡航『問題ない』」(2017年12月23日 産経新聞)
ザ・フナイ次号の2018年2月号では、年初と言うことで2018年について書きました。この年の本質を一言で言うのなら戦争か平和かということしかありません。人類にとって非常に大きな分岐点にさしかかっています。そして、このことはこの文章を読んでいる方一人一人に確実に関わっていくことでしょう。 今の状態を戦争か平和かと言ったら明らかに戦争に向いつつあります。日々のニュースを見ていれば、平和の徴候ではなく戦争の徴候ばかりになっています。しかし、この状況から目を背けていれば、戦争が嵐のように去ってくれるかと言えば、そういうことはないでしょう。なぜなら、戦争は喧嘩の延長でもなく、外交の延長でもなく、戦争そのものに目的と利益があるからです。その目的と利害に一般の99.9%は関係がありません。戦略家気取りで戦争を語っても、その目的と利益に利用されるのがオチでしょう。 それでは一般の人々に何ができるのか? それは平和を求めるのか、それとも戦争を求めるのかを自問してはっきりさせることです。それだけです。そして、何よりも明らかな事実は平和を求めない限り、平和は訪れないと言うことです。戦争を求めて平和は訪れないのは自明のことです。充実した人生を自分の足で歩みたいのなら平和を求めるしかないというのが、何よりもはっきりしていることなのです。などなど次号ザ・フナイで詳しく書きましたので、是非ご覧下さい。 さて、上記記事で報道されているように、安倍首相は平昌オリンピックがあるから韓国渡航は安全と平昌オリンピックに関して安全宣言を出しています。国連で新たな対北制裁決議が出されたのにも関わらずにです。この見通しだと日本からのオリンピックへの選手団派遣も行なわれるのでしょう。米国も今月初旬に参加・不参加のすったもんだがありましたが、最終的に参加の方向でと報道されています。韓国の文大統領をはじめ韓国の人々が平昌オリンピックを成功させたいということですから、是非、平和裏に大会が盛り上がることを私も望みます。 ただ、この日米両国の同大会への選手団派遣や安倍首相の安全宣言は非常に重要なことを意味しています。それは北朝鮮有事ということは北朝鮮にはイニシアチブはないと言うことです。最終的に北朝鮮が手を出すということになっても、現状の日米両国の対応を見れば、明らかに北朝鮮有事のイニシアチブは米国及び日本にあることは明らかです。したがって、オリンピックという最もテロが想定される状況においても安全と断言できるわけです。現状の北朝鮮情勢とは米国及び日本が対北で戦争をしかけるか否かということに過ぎないわけです。このことがはっきりしたのが、上記の産経の記事の意味です。 日本海沿岸に北朝鮮の木造船が漂着していることに関して、官房長官が工作員の可能性について言及したことが以下の記事で取り上げられています。 「あり得るのか? 北乗組員逮捕で菅長官『工作員の可能性』」(2017年12月11日 日刊ゲンダイ) あのようなぼろぼろの船で漂流していて命まで落としている状況を見て、官房長官は工作員の可能性を真剣に考え、述べているわけです。まあ、その真剣なお考えを否定はしませんが、もしそうなら以下の記事のように、金正男氏だけではなく、現在の北朝鮮の最高指導者・金正恩朝鮮労働党委員長が来日している日本には多数の工作員が当たり前のように既に存在するのではないでしょうか? これは韓国も同じでしょうが、官房長官の言葉そのままだと韓国も、そして日本も既に相当危険と言うことになります。しかし、首相は韓国渡航を安全と宣言し、日本については何も言っていません。明らかに首相と官房長官の言葉は矛盾しているわけです。 「金正恩氏もディズニーランドに、91年に日本不法入国」(2011年12月23日 AFP) 北朝鮮は攻撃しないから韓国渡航は安全で、当然、日本国内も問題ないというのが首相の見解ですから、それならこの数ヶ月続いてきた朝鮮半島のエスカレーションにおいて、問題の当事者は米国と日本と言うことになります。普通に考えて北朝鮮はミサイルなどで攻撃はできても、戦争そのもので勝つことはできませんから、これが実相ということになります。それなら北朝鮮に強硬姿勢で臨んでも抜本的に問題が解決されることはないのは明らかですし、その日米の姿勢は対北朝鮮で戦争をすることが目的という以外にはないということになります。 こう書いておいて、北朝鮮は何かするかもしれませんが、そうなると首相と官房長官両者の認識が間違っていることになります。筋が通っているようで安倍政権の対北姿勢と対応は実は矛盾だらけなのです。 | |
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