《日本の政治》日本の民主主義政治の最大の問題点を示したスガ退陣 その2 (3) | |||||
[日本の政治] | |||||
2021年9月6日 23時55分の記事 | |||||
昨日の本ブログ「《日本の政治》日本の民主主義政治の最大の問題点を示したスガ退陣 その2 (2)」(2021年9月5日)の続きです。 「《日本の政治》日本の民主主義政治の最大の問題点を示したスガ退陣 その2 (1)」(2021年9月4日)
アベ氏は昨年8月28日の退任発表の記者会見で、さらに以下のように述べています。
実は、ここで重症化対策のことをアベ氏は言っているのですが、それは、それまでアベ政権下で重症化対策が不十分であったことを示しているのです。つまりアベ政権下でPCR検査の数が少ない、重症化対策ができていないから、アベ氏退任発表記者会見でそれらをこれからやりますと言っているに過ぎないのです。そして、アベ後継のスガ政権になっても、結局、実情は何も変わらなかったと言うことなのです。 昨年9月の上記ブログでは以下のように書きました。
みな様がすでにご存じのように、GOTOトラベル・イートなどを行った日本では、その後、感染爆発・オーバーシュート、医療崩壊、家庭崩壊となったわけです。 そして、『感染者数が増えれば大変な事態になるのは目に見えているのです』というのは、そのまま今年の8月に生じたわけです。感染拡大を放置して感染が爆発的に増えて、医療崩壊、家庭崩壊となっていくわけです。何度も申し上げますが昨年からまったく変わっていないのです。 昨年のアベ政権では、感染防止をせずに需要喚起政策であるGOTOキャンペーンをやって、一方で重症化対策をやらなければならないと叫んでいるわけです。実はスガ政権時も、オリ・パラを強行開催して、感染拡大は放置して、感染爆発・オーバーシュート、その一方で以下のように8月17日の記者会見でスガ氏は重症化対策をすると述べるなど、本末転倒なことを1年以上も政府が繰り返しているのが日本の実相なのです。
入院できずに自宅待機を余儀なくされ、容態が急変、重症化しても何の手当も受けられずに、人知れず命を落とすということが続出しているのが、アベ・スガ自公政権・日本政府の新型コロナウイルス対策の実相であるのです。1年以上経っても重症化対応なんてまったく出来ていません。 基本的にスガ政権の新型コロナウイルス対策はアベ政権のそれを受け継ぎ、踏襲しているに過ぎないのです。実際、アベ氏も退任後、何一つスガ政権の施策を批判しているわけではありません。それはそうでしょう。昨年の退任時にその後の新型コロナウイルス対策をつくったと豪語しているのですから。 そして、他の自民党政治家もまったくスガ政権の新型コロナウイルス対策を批判してきませんでした。 これまでのアベ・スガ自公政権下での新型コロナウイルス対策は、感染拡大は放置して、感染した人をケアするという感染後に焦点を当てるものでした。だから、GOTOトラベル・イートなどをしたわけです。しかし、その実態はまったく新型コロナウイルス感染は収束せず、感染爆発を招き、重症化しても入院もケアもされず、自宅で人知れず命を落とす人が続出してきたわけです。 これでは、全くダメなのです。感染後に焦点をあてて新型コロナウイルス対策をするのではなく、伝染病の感染拡大を防ぐという感染前に焦点をあてて対策をたてるということに抜本的に変える必要があるのです。これはワクチンが普及しても変わりがありません。 ◎ アベ氏肝いりの東京オリンピック強行開催 冒頭から取り上げている西日本新聞の記事で、スガ政権が追い詰められた要因として後手後手になって失敗している新型コロナウイルス対策の本質は、上述のようにアベ政権にあるわけです。 それでは、他の二つの「東京五輪の政権浮揚効果も不発。8月にあった地元の横浜市長選でも支援候補が『大敗』」はどうか? まず、強行開催した東京五輪は、上述の新型コロナウイルス対策がまったく機能せずに、五輪開催期間中に感染爆発・オーバーシュートとなって、政権浮揚効果はまったくないどころか、むしろ内閣支持率を落とす結果となったわけです。 それは、そうでしょう。五輪開催前から新型コロナウイルスを理由として、中止・延期と開催反対の世論が少なくとも半数以上あったわけです。そして『ご懸念』まで出ていました。 しかし、感染爆発・オーバーシュート、医療崩壊、家庭崩壊となったわけです。スガ政権にとっては大きなマイナスとなって裏目に出たばかりか、東京五輪そのものも最悪のものにしてしまったわけです。 なぜ、東京オリンピックを今年に開催することを強行したのか? 東京五輪の今年の開催は、昨年にアベ氏が決めたものです。この決定の経緯を報じた以下の昨年4月1日の朝日新聞の記事は、これまで何度も取り上げてきました。この記事には、大会組織委員会会長の森喜朗氏が2年の延期を考えていたのに対して、当時の首相・アベ氏が1年延期を主張、それで決まったと書かれています。 「森会長が語る舞台裏 『なぜ1年』問われ首相は断言した」(2020年4月1日 朝日新聞) 本ブログ「考えるまでもないオリンピックの再延期 (4)」(2021年4月10日)では、この朝日新聞の記事を取り上げた後、以下のように述べました。文にある無脳宰相とはアベ氏のことです。
東京五輪開催も、新型コロナウイルス対策と同じように、アベ政権下で決定したことを、スガ政権が忠実に踏襲しているにすぎないのです。そしてスガ政権下で大失敗に至ったと言うことなのです。アベ政権ではスガ氏はナンバー2の官房長官、そしてスガ政権はアベ氏の支持によって成り立っているのですから、こうなるのは必然の帰結なのです。 ですから、もしスガ氏がアベ路線から離れることを決意し、新型コロナウイルスに専念して、オリ・パラを来年に再延期させる方向に早々に動いていれば、政権支持率も高率をキープでき、横浜市長選も乗り切れたことでしょう。そして、必然、スガ氏は自民党総裁選を無風で乗り切ることができたと考えます。 新型コロナウイルス問題がある場合、この問題に対処できるか否かが、政治における唯一といってよいポイントになります。対処できれば支持率は高くなり、対処できなければ支持率は地に落ちる。これは世界各地で同じように起っていることで、だからこそ、新型コロナウイルス問題がある内は、政治はこのことに専念することが何よりの政権安定策になるのです。 ですから、新型コロナウイルス問題がある限り、東京オリンピックは政権浮揚策にはならないのは、開催前からわかりきったことなのです。しかし、スガ氏は新型コロナウイルス対策という最大の問題に対処することなく、東京オリンピック強行開催ということを、使用人としてアベ氏の意向を忠実に守ってきて、最後は撃沈したと言うことなのです。 まったくもって国民にとっては不利益でしかありません。 「《日本の政治》日本の民主主義政治の最大の問題点を示したスガ退陣 その2 (4)」(2021年9月7日)へ続く。 | |||||
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