《国際情勢》 北朝鮮のミサイル発射が意味すること | ||
[日本の政治] | ||
2022年2月28日 23時56分の記事 | ||
以下の記事のように、2月27日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、今年8回目になったと報じられています。ただ、本サイトの右上にある映画「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス) と呼ばれた男 (字幕版)」(2018年)を考えれば、3月9日に韓国大統領選挙がありますから、当然、対北朝鮮融和派である韓国与党・リベラルの李在明氏を落とすためには、北朝鮮はミサイルを発射し続けます。 「北朝鮮が弾道ミサイル発射 日本海に、今年8回目」(2022年2月27日 時事通信)
この映画は実話に基づいて作られていますし、映画としてもとてもよく出来ていて、カンヌ国際映画祭で大絶賛、映画賞を総ナメにしています。是非、ご覧になってください。この映画を観ると、世界の構図の一遍が必ずお分かりになるはずです。 あらすじは、次の通りです。1997年の韓国大統領選挙で、北朝鮮と融和を掲げるリベラルの金大中氏を落選させるために、『韓国』の諜報機関・国家安全企画部(元KCIA)は金大中当選阻止、保守系候補当選のために、北朝鮮に軍事挑発などの軍事行動を求めます。北朝鮮はそれに応じ、韓国からは多額の資金が移動しますが、その工作が阻止されて、金大中氏が当選するというのがストーリーです。 もちろん、この映画は実話を元に作られています。 このような北朝鮮の軍事的な動きを『北風が吹く』と韓国では言いますが、その『北風』は南のために南が吹かせているという驚くべき現実があるのです。このことを私は『朝鮮戦争の構造(冷戦の構造)』(=朝鮮戦争を続けるための構造)と呼んできました。もちろん、この朝鮮戦争の構造は日本にもあります。 このような北風を吹かせると、北朝鮮に対する融和政策をするリベラル系ではダメだとなって、保守派・北朝鮮強硬派に票が流れるのです。それをサポートしているのが、なんと北朝鮮ということなのです。 ですから、当然、北朝鮮と韓国のリベラル系の対北朝鮮融和派は繋がっていません。北朝鮮と繋がっているのは、紛れもなく韓国の対北朝鮮強硬派で親米派の保守派なのです。これは絶対に間違えないでください。 1996年の韓国総選挙でこの南が吹かせた北風が功を奏し、韓国の保守派が勝利しています。この映画についての週刊朝日の記事「北朝鮮潜入の工作員は巧妙に…映画原案者が語る南北の“裏の裏”」(2019年7月26日)では、以下のように書かれています。
金大中氏が北朝鮮に嫌われたのは、朝鮮戦争を終わらせようとしたからです。それだけです。それが世界の実相です。 話しを戻すと、北朝鮮のミサイルとは、韓国の選挙で保守派を勝たせるためのものなのです。それがベース。だから、当然、3月9日に韓国で最も大事な選挙である大統領選挙がありますから、北朝鮮はミサイルを撃ちまくります。もちろん、それは韓国の保守派の候補のためなのです。そして、何より朝鮮戦争を続けるため。 2020年4月15日の韓国総選挙の時も、北朝鮮はバンバンとミサイルを撃っています。ただ、この時はリベラルで対北朝鮮融和派の文在寅政権が、新型コロナウイルス対策で成果を上げて、支持率が大幅に上昇、リベラルの与党・共に民主党が総選挙を制しました。 今回も3月9日に向けて、リベラルで対北朝鮮融和派の与党候補・李在明氏を落とすことが目的で、北朝鮮がミサイルを撃ちまくっていることは明白で、これは寝ていてもわかることです。この映画についてのことは昨年末のオンラインセミナーで解説しました。 ただ、現状のロシア・ウクライナ情勢の中で、この『北風』が保守派・対北朝鮮強硬派にとっての追い風になるかは未知数です。もしかしたら、韓国国民は中国との接近・融和を志向する可能性が出てきていると考えます。そうなると保守派・対北朝鮮強硬派にとっては逆風になる。 そう言う中で、以下の記事にあるように、2月27日、中国政府高官が「北朝鮮の懸念を重視し解決すべきだ」と米国に注文したということは、結構、意味深なものと考えます。どうして、中国が米国に北朝鮮のことで注文をつけるのか? 中国が北朝鮮に直接言えば良いと思われる方が多数いらっしゃると思いますが、中国が米国に注文をつける理由は、上記の『北風』の構造を考えれば、すぐにおわかりになるはずです。 「中国政府高官『北朝鮮の懸念重視すべき』と米国に注文」(2022年2月28日 テレビ朝日) | ||
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