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ジャニーズ問題は性加害者・被害者という当事者間の問題だけではなく、もはや社会問題でもある その4
[日本の政治]
2023年10月10日 23時29分の記事

本ブログ『ジャニーズ問題は性加害者・被害者という当事者間の問題だけではなく、もはや社会問題でもある その3』(2023年10月6日)の続きです。

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10月9日、NHKが『ジャニーズ問題 “NHK内で複数回 性被害に” 男性が証言 』というニュースを報じています。非常に良い報道です。

・ 『ジャニーズ問題 “NHK内で複数回 性被害に” 男性が証言 』(2023年10月9日 NHK)


一方で、ジャニーズは鬼畜・ジャニーの性加害問題について『虚偽の話をされているケースが複数ある』として、報道には十分な検証を、という声明を発表、以下のように書かれています。


弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております」とも指摘。「報道機関の皆様におかれましては、告発される方々のご主張内容についても十分な検証をして報道をして頂きますようお願い申し上げます


・ 『ジャニーズ事務所が声明発表「虚偽の話をされているケースが複数ある」 』(2023年10月10日 スポーツ報知)




実はこの声明、とても問題があるのです。ジャニーズの社会に対する責任感のレベルが問われる声明と考えます。
このジャニーズの声明文では、被害者を装って虚偽の話をして、被害者へ支払われるお金をだまし取ろうとする人々がいるという情報があると言っているわけです。
これ、普通に詐欺行為で、犯罪です。犯罪行為の可能性があるのですから、このような情報について各報道機関に検証の要請をするのではなく、まずジャニーズ側が複数あるとするその情報を開示して、各報道機関がそのような犯罪行為に関わらないようにすべきなのです。当たり前じゃないですか。どうしてそれをまずしないのか、甚だ疑問です。
このようにするのは、当事者であるジャニーズの完全な責任、社会的責任なのです。
そして、このような詐欺行為の情報は、開示する際、匿名にしたとしても、例えばどのようなことを言っているのか、年齢層はいくつくらいか、どのような特徴がある人物なのかなどのことは公表すべきです。そういうことがわかっていれば、報道機関も詐欺・犯罪行為に関わる可能性を減らすことができます。それにそのような情報を公表すれば、そもそもその詐欺行為をする人々は退散するでしょう。
上記、NHKの報道では、性被害者について具体的に『2002年の秋、ジャニーズJr.、ザ少年倶楽部(番組名)』と公表しています。ですから、同様にジャニーズ側も、具体的にその『複数ある情報』の内容を公表するのは当然の社会的な義務です。
当事者であるジャニーズ側が、被害者を装った詐欺・犯罪行為の可能性を言っているのですから、このような情報公開は、当然、なされるべきことです。即刻、情報を開示すべきなのです。無論、その情報を開示した際、その情報がデタラメであったりすれば、ジャニーズはその瞬間に終わるでしょう。
あと、もう一つのポイントは、この鬼畜・ジャニー性加害問題における当事者であるジャニーズは、この複数あるとする情報を、そもそも『検証』しているのかということです。私が推測するに検証はできていないと考えます。できていれば、すぐに検証をして虚偽の話であることを立証できる根拠などをすぐに発表するでしょう。
しかし、それができずに報道機関に検証を要請しているのは、検証ができていないということを示しているに過ぎないと考えます。つまり、ジャニーズに寄せられている『複数ある情報』の真偽の程は定かではなく、またジャニーズはその検証もできていないということなのです。
ならば、このような声明を出したことの正当性は崩れ、ジャニーズは大変な事をしでかしたと考えます。ジャニーズはさらなるトラブルを抱え込んだと考えます。
はっきり言って、ジャニーズは今回のような声明文は出すべきではなかったでしょう。このジャニーズの声明文に対して、野村修也氏が『報道側へプレッシャーかけているようにも見える』と述べています。このような感想は、今回、極めて多くの人々が持っていると考えます。それも、かなりの怒りを感じている人も非常に多いでしょう。
そういう怒りの感情が、今後10年でも20年でも、ジャニーズの新会社ができても続いていくわけです。そういうことに火を付けてしまった。ジャニーズが自分で火に油を注いでしまった。本当に大変な事をしでかしたということと考えます。

・ 『野村修也氏、ジャニーズの報道側への検証求める文書に「報道側へプレッシャーかけているようにも見える」 』(2023年10月10日 デイリー)


○ とある方からの素晴らしい指摘
話しは変わりますが、私の勉強会にご参加くださっているAさんがメールをくださり、このジャニーズ問題について、とても良い指摘をされていましたので、それをご紹介させていただきます。私の勉強会にご参加くださるだけあり、大変に素晴らしいご指摘です。以下のように書かれています。尚、文中で私についての記述は削除してあります。【】内は片桐の注釈。


この会見が終わった当初は、ジャニーズをヨイショして、望月記者や尾形記者を否定する記事がとても多くありました。

・2023.10,04【J-cast】「あんな連中つまみ出せだ!」 立川志らく、ジャニーズ会見「暴走記者」に怒り心頭
https://www.j-cast.com/2023/10/04470208.html?p=all

しかし、この【NHKのNGリストについての】ニュースが報道されてから、望月氏や尾形氏に対する批判記事が一斉に止みました。

この報道のあと、こういったバカな記事は完全に浮いてしまいますよね。このコメンテーターは自分の発言に対してどう責任をとるつもりなのでしょうか?
とにかく、このNHKのスクープは「10月2日のジャニーズにとって記者会見の意味をなくすことに繋がるもの」となりました。

あのスクープがなかったら、望月氏がやり玉に挙げられて、ジャニーズに忖度した大手マスコミもそれに追随するといったことで、逆に「望月氏や尾形氏の訴えが意味をなくす」ことになっていたでしょう。




まさにAさんが指摘されているとおりです。この視点での切り口が、10月2日のジャニーズ主催の記者会見の本質を非常に鮮明に浮かび上がらせます。
あのNHKのスクープがなかったら、望月氏などがやり玉にあげられて、ジャニーズが肯定されるという流れができたことは間違いありません。それがこの記者会見の本質だろうと考えます。論点をすり替え、ジャニーズにとって有利な流れをつくる、言ってみればそうこれがこの記者会見の意図することと考えるのが正解と私は考えます。
このように考えれば、あの記者会見だけではなく、この目的のために相当広い範囲で仕込みができていると考えるべきと考えます。そういう『勢力』がスクラムを組んで世論誘導をしようとしていたと私は考えます。

つづく

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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