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『政治家の交渉術』( 2006年5月刊) 第35回 ―第2章5―?「カネで話がつけば安いものである」 |
2011年1月15日 7時0分の記事 |
目次 第2章 「すべてを賭けるな」 ― 最後に笑う奴が最もよく笑う 5 笑える余裕の温存 「カネで話がつけば安いものである」 普通の生活のなかでも、事件や事故に巻き込まれたとき、訴訟に持ち込まず、法廷外において「示談」で済ませるやり方である。裁判ともなれば、時間と費用がかかりすぎるからである。正式な交渉のテーブルに乗せるのではなく、「事実上」の「友好関係」を深め、将来、「賛成してくれる国」を徐々に増やしていくのである。カネで話しがつけば安いものである。 その基本は「王道を歩む」ということである。「王道・覇道」という言葉は、中国の宋代の哲学者、邵康節(しょうこうせつ・易に精通し、孔子廟に祀られた人)が深淵な哲理に基づいて到達した学説の重要な「キーワード」である。 東洋哲学者・安岡正篤先生がこれを、次のように図解している。 道→化→自然→聖→皇 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 徳→教→譲 →賢 →帝 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 功→勧→治 →才→王・・・(ここまでを『王道』という) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 力→率→争 →術→覇・・・(四段目を『覇道』という) 王道とは「皇・帝・王」の道を志向するものをいう。王者が行う政治のことである。 「王者が、天地の私心なきが如し、一不義を行いて天下を得るも為さず」(『近思録』観聖賢) 覇道とは、「権謀術数を弄して民を『率』いてゆく人間」すなわち「術者」の道を志向するものをいう。「術者」は、自分の権謀術数を力としてたのんで、人間の信用をアテにしない。力による政治を行いながら、表看板だけは、素晴らしい大義名分を振りかざしている者を「覇者」という。 毛沢東は、「覇道」を好んだ革命家であった。決して「王道」は歩まなかったのである。それは、毛沢東の「政権は、銃口から生まれる」とか「世界革命は、暴力によってのみ達成される」などと言った演説や論文からも明らかである。 毛沢東は「力の哲学」を振り回し、数千万人もの中国人民を虐殺してきたのである。文化大革命のときは、さらに多くの中国人民を殺した。このことは、日中両国の歴史教科書にきちんと明記する必要がある。それが「正しい歴史認識」というものである。 「覇道」とは、「力の政治」のことであるから、中国人民は形の上だけは、確かに服従した形はとるけれども、その内心においては、とっくに「離反」し、「反発」している。天下の人民が、心服していないということ自体、それはすでに「民心」を失っている。 武力で威嚇したり、攻撃したりしても、相手は、心底から誼(ぎ)を結んではくれない。「徳」を積み「品格」を高めれば、強制しなくても、自然に心を寄せてくれ、友好を築くことができるものである。 |
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[カテゴリ:◆『政治家の交渉術』2006年5月刊] |
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