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イチローの名言
[日本の政治]
2016年7月5日 23時55分の記事

アメリカ大リーグ・マーリンズに所属するイチロー選手が先日、日米通算4,257安打を記録し、それまでピート・ローズ元選手が持つ歴代最多安打を超えました。しかし、ローズ元選手は、日本での記録を認めないと主張し、その姿勢を崩しませんでした。

「【MLB】イチロー、ローズの口撃は認めてくれた証?『正直ちょっとうれしかった』」(2016年7月4日 Full-Count)

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そのことへのコメントとして上記記事のイチロー選手のコメントがあるのですが、なぜイチロー選手はローズ元選手が彼を認め、嬉しくなったのでしょうか? イチロー選手は以下のように述べています。

自分にも経験がある。誰かを格下だと見ている時は、その人を褒めたり好意的なことを言う。だけど、自分と同じレベルだったり、越されたと思った途端、攻撃するようになるんです。(2016年7月4日 Full-Count)

アメリカ人からしたらこのイチローのコメントは、結構、辛辣に聞こえるかもしれません。ただ、人間心理について真実を言っているものと思います。
そして、この人間心理はもちろん政治の世界にも通用します。
安倍首相や与党が野党をかなり批判的に攻撃したり、与党に批判的な人に対して真顔で反論しているのが記事になっていたりして、結構目につきます。政治においてイニシアチブを握り、権力を掌握しているのは首相や与党ですから、上記のイチロー選手の例で言えば、ローズ元選手になるわけです。ローズ選手は大リーグ通算の大記録を保持しているわけですから、その地位はやはり不動で、日本という別リーグと大リーグ通じての記録を作り上げたイチロー選手の記録はやはりどこかで説得力が欠けてしまうわけです。ですから、ローズ選手はイチロー選手の偉業を褒め称えれば良かったでしょうが、やはりそうできなかったわけです。それは不動の地位で、自分より上はいないと自他共に認める状況が崩れているからです。
安打製造機のイチロー選手から言わせれば、試合数が少ない日本のプロ野球での記録と大リーグでの記録の通算安打記録の方が、本当は難しいと言うことではないかと思います。私はそう思います。
いずれにせよ、このイチロー選手の名言は、実は現在の日本の政治、特に首相や与党の焦りの心境をものの見事に表しているものと思います。もちろん、イチロー選手の発言は日本の政界のことなど考えてのものではいないことは確かですが、この言葉から日本の政治を見ると、少なからずそこには、現状、変化が確実に生じていることは明らかなものと考えます。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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