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この3日間の報道ステーションはとても良い
[日本の政治]
2016年7月7日 23時48分の記事

この3日間のテレビ朝日『報道ステーション』はとても良いできです。
本日はイラク戦争に対するイギリス参戦に関するイギリス独立調査期間による検証について報道されていました。この報告書では、当時、英国参戦の大義とされたイラクの大量破壊兵器の存在を証明できないまま参戦に踏み切ったブレア政権の判断が批判されています。とても良い報告書で、今の日本から見ると、とてもうらやましい限りの厳密さと公正さ、そして戦争に対するしっかりとした姿勢です。

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報道ステーションの報道では、イギリスの人々がこの問題について「War Criminals(戦争犯罪者)」という言葉を掲げて街頭で批判する姿が映し出されました。日本の政治家もその判断を間違えれば、このような言葉で将来、民衆から批判され、その罪を問われます。今の日本の政治家にそのことを想定した緊張感と覚悟があるのかと言えば、皆無でしょう。
このイラク戦争開戦について考えると、亀井静香さんを想い出します。当時まだ自民党にいた亀井さんが、このイラク戦争に米国が開戦に踏み切ることをやめるよう、渡米して米国の政府関係者や政治家などと会って談判しに行ったことを、何かの機会でご本人から聞いたことがあります。亀井さんはまだ現役の政治家ですが、かつては自民党にも筋が通ったすごい政治家がいたものです。党の方針に反して行動するのならこのくらいのスケールで動くのが本当の政治家でしょう。都知事選くらいの話で騒々しくなるのはいかにもスケールが小さいものです。
亀井さんの盟友であった山崎拓さんもやはりこのイラク戦争について反省の弁を述べています。このことは本ブログ「イラク戦争にかかわるブレア英元首相の報道に見る戦争の構造?」(2015年10月31日)などで触れていますが、このことも大変に立派だと思います。政治家だけに限りませんが、自らの判断について誤りを認める、特にこのような世界史的なことについての判断に対してしっかりとその反省と誤りを認めることはとても難しいことです。それを山崎さんは行ったのですが、さすがとしか言いようがありません。彼はその弁とともに将来に託したのでしょう。
私もこのイラク戦争開戦前の時期、当時、ワシントンでロビーストをやっていた米国人の友人に米国は開戦に踏み切るべきではないと伝えたことがあります。イラクに大量破壊兵器がないのは明らかでしたから、そのような無謀な戦争はすべきではないと言ったのです。しかし、反応は、数千億円をかけて既に中東に米軍を派遣しているから戻すことなどできないというものでした。これは実は理に適った判断ではないのですが、当時の米国世論は911の影響から前のめり、好戦的になっていたことは明らかです。
私のことはともかく、亀井さんや山崎さんのようにしっかりと物事を見つめ、判断、行動ができ、なおかつ事後、しっかりと検証し、間違いを正すことができない政治家は、軍事、安全保障、外交を語る資格はありません。なぜなら、政治家の間違った判断によって、戦地に送られるのは何よりもそこで命を賭して闘う兵士だからです。その判断した者は、何もかかっていませんし、今までの日本の歴史を見る限り責任もとらないわけです。
犠牲になるのはそこに送り込まれる人々ですが、同時に現地の人々も戦争の拡大に巻き込まれていくわけです。特にイラク戦争のようないい加減な判断に基づいて行われた戦争によってどれだけの人の血が流されたかを考えれば、一目瞭然です。そして、その犠牲に誰が責任をとったでしょうか?
日本でこのような事後しっかりと省みる検証や思考、インテリジェンス、厳密な見方ができる政治家は、上記の両氏以外、今や皆無と考えます。現与党において誰がイラク戦争について真摯に反省をし、検証した政治家がいたでしょうか? そんな判断力がない政治家の本質は世界的に犠牲を拡大させ、戦争を拡大させる存在でしかないものと考えます。そのような政治家が、戦争、安全保障、外交を考えること自体おこがましいことと考えます。このような状態なら、何もしない方がはるかにましですし、一国平和主義の方が世界の平和に圧倒的に貢献するでしょう。判断力がないために戦争を拡大させるようなら何もしないで一国の平和を維持することの方が、明らかに世界のためになります。
今の政権、政府にこの資格条件を満たす人はいないものと考えます。もちろん民進党にもいないでしょう。イケイケドンドンが安全保障だと勘違いしている人が多いのではないかと考えます。
イラク戦争はISに繋がります。それは、昨年、邦人が巻き込まれたチュニジアでのテロ、そして先日のバングラディシュでのテロに繋がると言うことです。しかし、この関連で誰が責任をとったでしょうか?
報道ステーションの番組内で、検証をすることの重要性を指摘していました。良い指摘だと思います。この検証は、社会科学であり、歴史学です。このことがしっかりとなされていないと平和で良い社会は築けません。しかし、現政権は社会科学を非常に蔑ろにしています。それは平和で良い社会を築くことを蔑ろにするためでしょうか? 歴史を都合良く解釈して、真実を見ない社会に未来はないのです。そういう意味で、今回の英国の検証は非常に生産的なものなのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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