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日本が起こす戦争?
[日本の政治]
2016年12月20日 21時24分の記事

日本は憲法9条の国で平和国家、戦争なんて起こすことはできないと思っている方々が日本では大半ではないかと考えます。さらに、一部には戦争はしたくともできない『異常な国』などとバカなことを考える向きもあるかもしれません。そこには、戦争に対するリアリティがなく、実のところその本質における戦争とはテレビゲームやスポーツの国際試合と同じ感覚で考えているものと考えます。
戦争の根本は軍事ではなく、お金です。その根本を見据えないと私たち日本人は知らずのうちに、平和を乱し、世界の厄介者になり、孤立化する可能性があります。戦前も同じでした。

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本日、南スーダンに関する記事に「慎重姿勢の日本に不満表明=南スーダン武器禁輸めぐり―米」(2016年12月20日 時事通信)と言うものがありました。これは、米国が提案した南スーダンへの武器禁輸案に対して日本が慎重な姿勢をとっていて賛同しないという記事です。
わかりやすくするために以下に引用します。

パワー米国連大使は19日、米国が提案する南スーダンへの武器輸出を禁止する国連安保理決議案に、日本などが慎重な姿勢を示していることについて「国連平和維持活動(PKO)部隊を守る手段である武器禁輸を支持しないという論理は、非常に疑問だ」と述べ、不満を表明した(同上)

日本政府が慎重な姿勢をとる理由は、「陸上自衛隊を南スーダンのPKOに派遣している日本は、南スーダン政府を刺激することを避けるため、制裁発動に慎重な立場を取っている」(同上)ということです。
しかし、南スーダンは以下の記事にもあるように南スーダン政府軍と国連PKO部隊が交戦するような状況であるわけです。平和を維持するという状況にはほど遠く、混乱しているわけです。南スーダン政府に輸出した武器が自衛隊を含めたPKO部隊を攻撃するような状況であるわけです。これは極めて異常な状況ですし、日本政府の判断はあまりにおかしなものです。

『南スーダン「国連部隊と政府軍、一時交戦」情報相が認識』(2016年11月4日 朝日新聞)

南スーダン政府を「刺激」するとはよく言ったもので、とってつけたような言い訳です。
このことに対して米国のパワー国連大使が「国連平和維持活動(PKO)部隊を守る手段である武器禁輸を支持しないという論理は、非常に疑問だ」(2016年12月20日 時事通信)と不満と疑問を表明するのは至極当然のことです。
南スーダン政府とPKO部隊が交戦するというのは、日本で報道されるほどの明らかなものです。したがって、日本政府の言い訳と武器禁輸案に対する対応は明らかにおかしなわけです。当然、この武器禁輸案の提案国で同盟国の米国もおかしいと考えているでしょうし、この提案に賛同している英仏もそう考えているでしょう。沖縄の問題をはじめ日本でのことにはいつも米国を同盟国と言って色々としておきながらかなり矛盾した姿勢です。
同盟国が提案する武器禁輸に反対するというのは、普通に考えて、そこに利益の構造があるからと考えます。南スーダンに武器が輸出できる状態を維持し、そこに利益があると言うことです。そして、それは南スーダン政府に武器が行き渡り、国連PKO部隊と交戦する『構図』を温存すると言うことです。それが米国が今回の提案を行っている理由ですし、それは当然のことでしょう。
この構図を温存することによって、南スーダンの状況は悪化するわけで、それを防ぐための米国の提案であるのですが、日本がそのことに反対していると言うことは、南スーダンの状況を悪化させることを考えていると言うことです。それは間違いないものと考えます。
そして、何よりもそのようなつくり出された状態の南スーダンに放り込まれるのが自衛隊であるわけです。日本政府が行っていることは明らかに憲法違反ですが、人道的な問題も明らかに内包しています。即時、自衛隊を帰国させるべきでしょう。これで自衛隊に犠牲が出たら、その責任は明らかに政府にあります。つくられた構図の中で軍人や民間人が犠牲になるというのが、まさに戦争の構図なのです。そのようなことが起こるのは当然、お金が絡むからです。自衛隊の敵は彼方にいるのではなく、となりに笑顔で友好的にいるのです。そして、このことは戦前も同じでした。
南スーダンにPKO部隊を出しているのに、南スーダンの平和維持と反対のことをやっているというのが米国などの日本に対する評価です。このようなことが起こるのは軍事が利権だからです。武器輸出解禁以来、日本はその方向に向かい、本質的に既に世界の平和を乱しているのです。それも一部の者の利権のために。
平和を永続化させるためには、戦争を放棄し、この構図にNOと言いうしかないのです。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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