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改めて安倍晋三さんの所謂『国葬』に反対します
[日本の政治]
2022年9月27日 12時59分の記事

私は安倍晋三さんという故人に対する弔いを否定しません。故人に対して手を合わせたい人は、手を合わせれば良いと考えますし、実際、安倍晋三さんの個人葬は行なわれ、そのことに反対をしているわけではありません。今回、安倍晋三さんの所謂『国葬』に対して『反対』している方々の大半もそうお考えだと考えます。一方で、弔いの儀式というのは故人に対する意味もありますが、同時に生きている人々への意味もあります。ですので、弔いの儀式はご遺族に対する意味があります。しかし、その儀式が国家として行なうということになれば、その儀式の意味は民主主義国家である日本では、主権者である国民にとっての意味と言うことになります。この意味において、明らかに安倍晋三さんの所謂『国葬』は、民主主義国家の儀式として相応しいものとはまったく考えません。

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その理由は、すでに問題視されている様々な問題点に起因します。それらは、安倍晋三さんの所謂『国葬』を行なう上での法的正当性の問題、政治手続きの不備という議会制民主主義の否定という問題、そして各種世論調査でこの安倍晋三さんの所謂『国葬』に対して反対が約60%、賛成の2倍という明らかな賛成少数の愚挙を強行するという結果がでているという民主主義を否定しているという問題などです。
多くの反対者の方々もこれらについて問題視していると考えますが、しかし、何よりも最大の問題点は、安倍晋三さんという政治家の実績について、民主主義国家として評価するには至らないと反対者の方々がお考えになっていることと考えます。
実は、安倍晋三さんにはこれといって実績はないのです。むしろ、問題・疑惑がありすぎで、ここではそれらをイチイチ取り上げませんが、これからは、この安倍晋三さんの政治のマイナスが色々なところで、でてきます。
また、憲政史上、最長期政権といいますが、その間、安倍政権は憲政史上、一番、国民にウソをついた政権であったことは間違いないでしょう。国会とは議会制民主主義の中心、国民主権である日本の国権の最高機関です。安倍晋三さんとその政権は、そこでウソをつきまくったのですから、安倍政権が憲政史上、一番、ウソをついた政権であることは間違いありません。私は他にこの類例を知りません。
私はこの『ウソ』の一件だけで、所謂『国葬』、民主主義の国家がその政治家の業績を評価することにはならないと考えます。そして、安倍晋三さんはウソをつきまくって、自らの政権を正当化し、政権維持を画策・実現したのですから、当然、『憲政史上、最長期政権』という正当性はないのです。『憲政史上、最長期政権』とはまさに砂上の楼閣に等しい空虚なものなのです。ですので、このことが、今回の安倍晋三さんの所謂『国葬』を正当化する論点には絶対になり得ないと考えます。
そして、これだけ問題がある安倍晋三さんの所謂『国葬』を強行することに、間違いなく民主主義国家ではない、専制国家の動きを見いだします。
仮に安倍晋三さんが評価される政治家であれば、所謂『国葬』であっても、今回のように民意において激しい反対は起きなかったと断言します。しかし、安倍晋三さんはそこまでの政治家と評価されていないので、ここまでの激しい反対となっているのです。
そして、そのような安倍晋三さんの所謂『国葬』を強行したのですから、当然、国民は自分たちの意見が無視され、蹂躙されたことを静かに心に刻みつけています。その想いは今後、必ずさらなる激しい形で噴出します。


○ 今後の政治のポイント
安倍晋三さんに対してこれまでの前例を踏襲して通常の内閣・自民合同葬であれば、ここまでの反対の嵐は吹かなかったでしょう。海外の要人ももう少し多く来日したことでしょう。
しかし、この所謂『国葬』は、結果として約6割の国民は相応しくないと反対に至りました。一方でキシダ・萩生田のコンビなど安倍晋三さんの周囲は、この『国葬』の挙行は当然とその方向に動いてきました。そして、これまでの約10年は、そうすることがかなり容易に進められました。
しかし、今回、その当たり前に進められたはずのこと、すなわち安倍晋三さんの所謂『国葬』を挙行すると、その結果、政権を揺るがし、政権存続が危機に直面するほどの事態になっているのです。まさにここに、これまでの10年になかった状態が出現していることがはっきりとわかります。すでに、日本の政治には、これまでの10年との明らかな凄まじいギャップが存在しているのです。実は、このギャップが今後の日本の政治において極めて大きな意味を持つのです。


○ 安倍晋三さん個人葬への『自衛隊の儀仗隊』参列は許されない
最後に、本文冒頭で安倍晋三さんという故人に対する弔いや安倍晋三さんの個人葬は否定せず、故人に対して手を合わせたい人は、手を合わせれば良いと申し上げました。しかし、安倍晋三さんの個人葬において、『自衛隊の儀仗隊』が参列したことは極めて重大な問題と考えています。理由は、いかなることがあってプライベートな個人葬に『自衛隊の儀仗隊』が出ることはあってはならないことだからです。これは端的に『公私混同』であり、したがって、これは民主主義、主権者国民を愚弄し、裏切るものだからです。自衛隊はそういう一線をどこよりも厳しく守る必要がある組織なのです。そうしなければただただ信用を失うだけです。
この安倍晋三さん個人葬への『自衛隊の儀仗隊』が参列したことは、公私混同とそれと同じ意味である『専制政治』の象徴なのです。この問題は今後、徹底的に追及され、糺される必要があります。これは日本の政治の最大の問題点です。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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