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『孫の二乗の法則』第2章 「孫の二乗の法則」とその定義―?「池のなかには魚がいっぱいいる。これは、絶好のチャンスです」 |
2010年11月9日 14時43分の記事 |
目次 第2章 「孫の二乗の法則」とその定義 「池のなかには魚がいっぱいいる。これは、絶好のチャンスです」 ところが、平成三年(一九九一)八月二十九日、MARUKOが東京地裁に会社更正法の適用を申請して事実上倒産してしまったのである。このため私の取材は頓挫してしまった。 それから、二年を経た平成五年(一九九三)十月、テンポラリーセンターから、一通の招待状が届いた。起業家のための集まりがあるという。パーティの前に講演があり、孫正義が講師として話をするという内容だった。私は十一月四日に開かれたその集まりに出かけて行った。 会場には若い起業家や新規に企業を起こそうという意欲的なビジネスマンたちが、多く参加していた。通産省からもベンチャー・キャピタルの担当官が顔を見せていた。孫正義は講演のなかで、こう力説した。 「景気のいいときに、他の周りにはあれほど多くの釣り人がいたのに、どこかへ行ってしまった。ところが、池のなかには魚がいっぱいいる。これは、絶好のチャンスです。土地も安くなり、経営にとって、いまほど恵まれた条件が揃っているときはない」 若さがあふれて元気そのものだった。それに引き換え世の中はあまりパッとしていなかった。株価は平成四年(一九九二)八月十八日に一四,三〇九円まで下がっていた。ここを大底にして、一〇、○○○円と二〇、○○○円との間のボックス圏内を横這い状態で推移しており、地価は下落し続けていた。企業経営者の設備投資意欲は萎んだままで、投資家の投資マインドも冷え込んでいた。 それに反して孫正義は、パソコンによる情報ネットワーク化のために必要な資金六百億円を集めて回っているというような景気のよい話をしていた。 アメリカでは、情報ネットワーク化が進んでおり、日本は後塵を拝している状況だった。孫正義は、富士通や日本電気など大手の情報機器メーカーのトップにも会い、資金の調達に協力を求めている様子だった。私は、その計両の壮大さに、肝をつぶす思いをさせられたのと同時に、 「世の中は情報化に向けて大きく動いている。いや、変化させている人がいる」 と実感させられた。しかも、私の世代よりもはるかに若い世代が、時代を動かし、新しい世の中を創造しようとしていた。 |
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[カテゴリ:◆『孫の二乗の法則〜ソフトバンク孫正義の成功哲学』2007年7月刊] |
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