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すべてを見誤った報道番組
[日本の政治]
2020年5月9日 2時1分の記事

ジャーナリストの江川紹子さんが、以下の記事で取り上げられているように、とても良い指摘をしています。ことの発端は7日のテレビ朝日『報道ステーション』で、新型コロナウイルスの抑えこみに成功しているのはドイツや台湾、アイスランド、フィンランド、デンマーク、ノルウェーなど女性リーダーの国という同番組の解説員の主張です。この主張に対して江川さんは「リーダーが女だからコロナにうまく対応した、という主張をしたい人たちには文在寅韓国大統領は邪魔みたい。まるで無視、というのはすごいわ」(5月8日 東スポ)と批判しています。正にその通りで、男性が言いにくいことをしっかりと指摘する江川さんはやはりさすがだなと心から思います。

「江川紹子氏「報道ステーション」の主張にダメ出し「誰もおかしいと思わないのか」」(2020年5月8日 東スポ)


(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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コロナ後の中心点
とは言え、敢えて言いますが、国のリーダーが女性だから新型コロナウイルスの防疫が成功しているということはある程度はあると考えます。命を生み出すという性的な特性が、生命や生存を最優先で考えさせる観点と信念を生み出し、そのことがベースとなって物事に取り組んだ結果、防疫に成功したということは十分あると考えます。そこには生命と経済を天秤にかける発想はないわけで、だからこそ成果を上げることができたということはあると考えます。女性はこのような傾向があると考えます。
ただ、それはリーダーが女性であったからと限定するから間違いになるのです。正解は、女性ではなく、彼女たちが人々の生存(生活も含む)と生命を最優先に考えて、断固とした行動をとったからこそ、これらの国々での防疫の成功があるということです。そのような観点と行動が女性の特性から生じた可能性は十分あると考えますが、一方で出産の有無にかかわらず、そのような観点で行動できない女性も世の中には沢山いるでしょう。ですので、女性だからと限定ができないのも事実ですし、また男性にもその観点は厳然としてありますから、韓国の文在寅政権もまたこの観点と信念で早めに早めに的確に動き、組織的には適材適所で臨み成功したということなのです。また、ジョンソン英首相もその認識を180度大転換しています。
あくまでもポイントは人々の生存(生活も含む)と生命を最優先に断固として行動することです。それが成功に結びついたということです。本ブログでは生に焦点をあて、あくまでも生を肯定しなくてはならないと申し上げてきました。
そして、このポイントはリベラリズムと非常に親和性があるのです。そもそも、リベラリズムの原点は人々の生存です。それが人権の最も根底的なものです。命があってはじめて人権が成り立つわけですから、生存より重要な権利、人権はないのです。ですので、リベラリズムを追求していくと、自然と生存(生活も含む)と生命を最優先に断固として行動することになるのです。そして、どの命も平等に大事という生命の平等になっていくのです。ですので、必然、現状、リベラリズムが非常にポイントになっているのです。
生存(生活も含む)と生命を最優先に断固として行動すること、生に焦点をあて、あくまでも生を肯定することは、この新型コロナウイルスに対する防疫のポイントというだけではなく、コロナ後の世界の最大・根底の中心になっていきます。私はそれをこれからの時代(新しい時代)の中心点・核心として4年以上前から指摘しています。そして、その通りになっているのです。そして、この中心点・核心は、上述のようにリベラリズムを内包し、さらに他のいかなることよりも優先し、社会と世界の中心的価値になっていきます。だから、このことで、外交防衛も、経済もすべて観ていかなければなりませんし、逆に言えば、外交防衛も、経済もすべてがこの中心点・核心で動いていくのです。このことはどうぞお忘れにならないでください。これがコロナ後の世界の実相なのです。

報道ステーションという世論誘導装置
さて、話しを江川紹子さんの素晴らしい指摘に戻します。報道ステーションの前身であるニュース・ステーションはリベラルの牙城で、その後も古舘伊知郎さんまではその方向性を堅持していました。そして、だからこそ視聴率も抜群に良かったわけで、テレビ朝日のドル箱だったと考えます。視聴者の大半はリベラルの人々であったでしょう。
しかし、すでに同番組にはかつての姿はまったくなく、安倍政権忖度に動いてきたと以下のリテラの記事は指摘しています。まさに、その通りだと考えます。本ブログでも何度も同じように指摘しています。ついでに言えば、ワイド!スクランブルも同じと考えます。
いずれにせよ、そういう中でのこの女性リーダーというところに焦点を当てて、韓国の文在寅政権の新型コロナウイルスに対する防疫の大成功から大衆の目をそらすという世論誘導なのだと考えます。それがこの番組の意志で、さらに安倍政権の強い意向なのだと考えます。そして、このことを鋭く江川さんは見抜いているわけです。江川さんは単に女性が祭り上げられていることに有頂天になる方ではなく、しっかりと物事を観ている方であるわけす。本当に素晴らしいと思います。
安倍政権・日本政府にとっては韓国の大成功は本当に困るわけです。新型コロナウイルス感染状況について、安倍氏が何度も諸外国は日本よりひどい状況と強調しても、お隣の韓国は大成功をしていると言われるては困るわけです。韓国は世界から賞賛されているわけですが、一方、日本の安倍政権をみれば、後手後手で防疫には失敗しているわけですから、必然、安倍政権・日本政府は全然ダメじゃないといわれてしまうわけです。これは厳然とした現実ですから、仕方がないのですが、しかし、何とかして安倍政権は、韓国から人々の目をそらしたいわけで、それは自然なことと考えます。ただし、そうすることはもちろん日本国民の利益にはまったく反します。つまり、安倍氏及び安倍政権は国民の利益などと言うものはまったく考えていないということになるのは論理的帰結として当然と考えます。
その意向に報道ステーションは忖度していると考えますが、なぜか北朝鮮まで歩調を同じくしているように見えます。北朝鮮のことはおいておきますが、少なくとも報道ステーションは忖度をしてると考えますし、だからこそこの論調と考えます。ということは同番組も日本国民の利益を考えていないことになると考えますが、いずれにせよ、やはり江川さんはさすが鋭いなと心から思いますし、この指摘はとても重要なのです。

「後藤謙次の降板で『報ステ』政権批判が完全消滅? 後任に米国防総省の研究センターや笹川平和財団にも所属していた記者が」(2020年3月29日 リテラ)

「『報ステ』政権忖度で首を切られたスタッフに支援の動き! 番組関係者から「萎縮がテレ朝の目的か」「報道が機能しなくなる」」(2020年2月13日 リテラ)

要するに、リベラルの牙城・テレビ朝日の『報道ステーション』の視聴者、それも伝統的にリベラルと考えられるその視聴者に対して、これまでのリベラルが喜んで飛びつくであろう『女性の活躍』という論点を無理矢理織り込んで、韓国の成功から目をそらすことが目的と考えます。
ですので、これまでのリベラル感覚で飛びつくと、リベラルと思っていても行き先は実は極右というトラップになるのです。要するに報道ステーションは安倍政権の世論誘導のリベラル担当と言うことと考えます。皆様、とにかく、くれぐれもお気をつけください。

身上を潰すボンボンの典型
昨晩(8日)、この報道ステーションを観ていました。ロシアの新型コロナウイルス感染状況がひどいということをしきりに報道していました。この番組の防疫体制はどうなのかと少し思ってしまいますが、いずれにせよ、ロシアのプーチン大統領とは安倍氏はまったくそりがあっていませんから、やはりそういう報道になるのだろうなと心から思いました。プーチン大統領と安倍氏が仲が良いというのはトンデモナイ分析ミスか単なるデマです。実相はまったく逆です。ここがちゃんと見えていないと世界の動きはまったく見えません。
ところで、この報道ステーションを観ていて、とても気になったことがありました。それはCMでテレビ朝日の番宣が非常に多いことです。恐らく、企業のスポンサーがとても少なくなっているのだと考えます。だから、これでもかというほど同じ番宣が繰り返されるわけです。スポンサーが大量に降りているのでしょう。
他の番組など、全体としてスポンサーが少なくなっているのかもしれませんが、報道ステーションはかつてはドル箱と言えるほどであったのが、今やその精彩はまったくなくなっています。かつてのようにリベラルをターゲットにして番組を作っていれば、ドル箱の地位は健在であったと考えますが、最大のお得意さんを切り捨ててしまい、さらに悪いことに新規のお得意さんができないわけです。それならおかしくなっても仕方がありません。そもそも、右翼にとってはいまだにテレビ朝日や報道ステーションは左翼で敵ですし、ずっとそういって攻撃してきたわけですから、今さらテレビ朝日や報道ステーションのお得意さんにはなるはずはないのです。
それなのに何を血迷ったか、これまで長年培ってきた、他からは垂涎の的であったリベラルのお得意さんを切り捨ててしまったわけですから、それでは誰も観ない番組に必然的になりますよね。普通に考えて。ビジネスモデルとして完全に破綻しているのです。商売の観点から見ると、思想にかまけて身上を潰すボンボンのように見えます。まさに穀潰しの世迷いです。
そして、このビジネスモデルとしての失敗もありますが、さらにポイントなのは、もっとも大事な影響力やオピニオンリーダーとしての地位も投げ捨てたことです。よって、政治思想においてまったく無力に、そして何もつくり出すことのない存在になってしまったわけです。すでに抜け殻同然と考えますが、このことはテレビ朝日の全体の存在感に関わっていきます。ですので、今、テレビ朝日を救っているのはモーニングショーだけなのです。テレビ朝日はリベラルの視聴者以外は観ないのです。このことは忘れるべきではありません。
そういう報道ステーションが繰り出した一策が、江川さんが批判した、政権忖度のための主張であったと考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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