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パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その12
[日本の政治]
2023年11月1日 23時37分の記事

本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その11』(2023年10月31日)の続きです。

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私が『パレスチナ・イスラエル』問題について、イスラエルの行動を批判、非難しているのは、パレスチナに対してイスラエルが圧倒的な力を保持しているからです。軍事力、経済力など圧倒的な力を有するイスラエルが、そのイスラエルに対してほとんど無力なパレスチナを攻撃すれば、それは即、人道問題になるのです。私が『パレスチナ・イスラエル』問題について書き始めた本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか 』(2023年10月12日)では、以下のように書きました。


○ パレスチナとイスラエルの力の差は歴然としている
さて、2018年に現地に行って、はっきりとわかったことは、パレスチナ・イスラエル両者の力の差は、歴然としていて、イスラエルが圧倒していることです。その力の差を数値で表すのなら50対1、100対1です。もしかしたら1000対1かもしれません。1000対1の方が感覚的内はぴったりです。
しかし、現在、パレスチナとイスラエルとの紛争について日本での報道を観ていると、双方とも力が拮抗しているように報道され、そう錯覚してしまいますが、そんなことはまったくありません。
両者の力の差は、経済力もさることながら、軍事力もまったくその対比です。1000対1。2018年に現地訪問したとき、ベエルシェバのベングリオン大学にも行きましたが、同大学は軍・産業と共同で防衛分野での研究開発を進めていることは有名です。このようにイスラエルはテクノロジーではパレスチナをまったく圧倒し、それが軍事力でもパレスチナと極めて大きな差を生み出しているのです。最近では、富士通がベングリオン大学と共同研究を開始しています。普通に軍事研究と考えます。

・ 『高度かつ安全なAI利用の実現に向け、イスラエルの研究拠点にて富士通とベングリオン大学が共同研究を開始 』(2021年11月16日 富士通株式会社)


そのようなパレスチナ・イスラエル両者での紛争と言っても、大人が子どもを一方的にいじめるがごときものなのです。実際、パレスチナに空軍があるでしょうか? ありませんよね。このこと一つとってみてもこの両者の軍事力の差は歴然としています。
この両者の関係を考えると映画『トータル・リコール』ととてもよく似ていると思います。火星を完全支配しているリコール社はイスラエル、その火星でリコール社に生きるための酸素などを支配されている貧しい反乱組織がパレスチナということです。これが、パレスチナとイスラエルの現実の姿と考えますが、一つだけこの映画と違うところは、パレスチナは先に住んでいた自らの土地をイスラエルに取られたということです。
このように、パレスチナ・イスラエルについて、私は十代のときからイスラエルとユダヤ教・ユダヤ人の側でものを観てきましたが、2018年に現地に行って、あまりにもひ弱なパレスチナに対してとても同情的な気持を持っています。弱者はいじめてはいけない。




私が2018年に現地に行ったときに目の当たりにしたパレスチナとイスラエルの力の差は、現在のパレスチナ・イスラエル問題のやはり根底と考えます。この力の差を無視した論調は、基本的にプロパガンダかエセと判断した方が良いと考えます。

11月1日になって、本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その11』(2023年10月31日)で書いたことが、一気に表に出始めた感じがします。
まず、昨日のブログでは以下の10月20日の読売新聞の記事に書かれている深刻な水問題に基づいて『少しこの状況を想像して考えてみてください。100万人の人々が避難して、その避難先には水がなく、トイレも使い物にならなければ、どれだけ劣悪な環境になるかを。汚物だらけになる』と書きました。

・ 『病院は廊下まで負傷者、ガザ避難民「どうしたら生き残れるか」…パン購入に4時間待ち 』(2023年10月20日 読売新聞)


10月20日から11日に経った10月31日時点での記事では、汚水問題が命の問題となっていると報じられています。以下の日テレとCNNの記事です。

・ 『イスラエル軍“地上作戦”拡大 ガザ市方面に“進軍” 空爆続く「ガザ地区」では汚水があふれ… 』(2023年10月31日 日本テレビ)

・ 『きれいな水が尽きたガザ、「大惨事になる瀬戸際」 ユニセフ事務局長が警告 』(2023年10月31日 CNN)


上記、CNNの記事には国連児童基金(ユニセフ)のキャサリン・ラッセル事務局長の言葉として、以下のように報じています。


(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)のキャサリン・ラッセル事務局長は30日、パレスチナ自治区ガザで水の供給が尽きかけている現状について「大惨事になる瀬戸際」の状態にあると警告した。
ラッセル事務局長は国連安全保障理事会で、ガザの民間施設に対する激しい空爆によって壊滅的な被害が出ていると述べ、「ガザにほとんど残っていなかったきれいな水は急速に底を突きつつあり、200万人以上の人が悲惨な状況に追い込まれている。水供給施設の推計55%は修理や修復を必要としている」と報告した。
さらに、「一つしかない脱塩施設は容量の5%しか稼働していない。ガザに6カ所ある汚水処理施設は全て、燃料や動力がなくなって稼働を停止した」と指摘。現状について「大惨事になる瀬戸際」にあると述べ、きれいな水の供給が再開されなければ、渇きや水に関係する感染症のため、さらに多くの民間人が死亡するだろうと強調した。




10月31日のブログには、イスラエルによって満足な食料も飲料水もないガザについて、『これだけの劣悪な環境では年齢に関係なく命に関わる状況です。これは、軍隊が武器で殺すことではなくても、立派な殺人、虐殺です』と書きました。すでにガザの状況は、イスラエルによる武器によるものではない虐殺の状況になっているのです。

さて、上記(以下のリンク)、10月31日の日テレの記事には衝撃的な場面が出てきます。丁度50秒ほどのところからの映像です。ガザ地区で撮影されたとされる映像ですが、そこにはパレスチナ側とみられるの『ライトバン』が、イスラエル側とみられる『戦車』を発見して、急いでUターンをして逃げようとしています。映像ではその『ライトバン』は武装しているようには見えませんし、そもそも戦車から逃げようしているのです。しかし、次の瞬間、そのライトバンをイスラエルの戦車が攻撃します。イスラエルの戦車から逃げようとしている武装しているとも思えない『ライトバン』を攻撃するのは、明らかに無差別攻撃です。大変にショッキングな映像です。

・ 『イスラエル軍“地上作戦”拡大 ガザ市方面に“進軍” 空爆続く「ガザ地区」では汚水があふれ… 』(2023年10月31日 日本テレビ)


戦車の砲撃は何度も観たことはありますが、明らかに武装をしておらず、逃げようとしているライトバンが、戦車に攻撃される場面はやはりとてもショッキングです。できればこのような映像は観たくないと思う映像です。無論、このような無差別攻撃は断じて許されることではありません。イスラエルは恥を知れ。


私を含め世界のほとんどの人々は、かつてナチス・ドイツによってユダヤ人がホロコースト(大量虐殺)の犠牲になったことを良しとはしていません。しかし、同時に現在、ユダヤ人がパレスチナ人にホロコースト(大量虐殺)を行なうことも良しとはしていないのです。


『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その13』(2023年11月2日)へ続く。



最終編集日時:2023年11月4日 7時6分

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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