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パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その13
[日本の政治]
2023年11月2日 23時58分の記事

本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その12』(2023年11月1日)の続きです。

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本ブログでは、パレスチナ・イスラエル情勢について、その両者の軍事力、経済力などの力量の差は100対1、もしくはもっとあり、イスラエルが圧倒的に強いことを申し上げてきました。そのイスラエルが、パレスチナに対して軍事的攻撃をすれば、それはほぼ無防備な相手に軍事力を行使するに等しく、それ自体が無差別攻撃、虐殺なのです。
そして、実際、イスラエルはそのような無差別攻撃をし、虐殺をしていると申し上げてきました。本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その12』(2023年11月1日)では以下の記事を掲載しました。この記事には明らかに武装をしておらず、逃げようとしているパラスチナ側とみられるライトバンが、イスラエル側とみられる戦車に攻撃されるというとてもショッキングな場面がでてきます。できれば観たくないと思う映像ですが、これは明らかな無差別攻撃です。

・ 『イスラエル軍“地上作戦”拡大 ガザ市方面に“進軍” 空爆続く「ガザ地区」では汚水があふれ… 』(2023年10月31日 日本テレビ)


私は、かつてナチス・ドイツによってユダヤ人がホロコースト(大量虐殺)の犠牲になったことを良しとはしていません。しかし同時に、現在、ユダヤ人がパレスチナ人にホロコースト(大量虐殺)を行なうことも良しとはしません。当たり前のことです。
しかし、以下の記事のように、イスラエルは難民キャンプを攻撃しています。これは明らかな無差別攻撃です。

・ 『イスラエル軍、ガザ難民キャンプ再び攻撃 ハマス幹部殺害と発表 』(2023年11月2日 ロイター)


この攻撃に対して国連は戦争犯罪に該当しうると以下のように非難しています。まったく当然の反応でしょう。


イスラエル軍によるガザ地区最大規模のジャバリア難民キャンプへの攻撃について、国連人権高等弁務官事務所は1日、「民間人の多大な犠牲と破壊の規模を考えると、これは戦争犯罪にも該当しうる過度な攻撃だと懸念する」とSNSに投稿し、強く非難しました。

・ 『【2日詳細】ガザ地区難民キャンプで連日イスラエル軍の攻撃 』(2023年11月2日 NHK)




イスラエル側の主張では、東京の『新宿』にハマスの幹部がいるというだけで、自衛のためと新宿でも攻撃をしてくる可能性すら感じます。それも本当にいるかどうか、確認できているかもあやふやなのに。
この難民キャンプへの攻撃とこの攻撃による民間人の犠牲者の規模を考えれば、イスラエルの目的は、ハマス幹部の排除ではなく、パラスチナ人への無差別攻撃・虐殺ではないかとやはり考えてしまいます。
大変な問題です。とにかくイスラエルは、パレスチナに対して圧倒的な軍事力を保持しているのです。パレスチナ・イスラエルの両者はそもそも対等な軍事力を有する関係ではないのです。このことは絶対に忘れてはなりません。
このように民間人を虐殺しても、イスラエルは「これが戦争の悲劇だ」と述べ、以下のように報じられています。


イスラエル国防軍の報道官はCNNの取材に対し、ハマスが民間人の背後に隠れていると主張した。難民キャンプには罪のない民間人が多数いたことを指摘されると「これが戦争の悲劇だ」と述べ、民間人に対して南へ移動するよう促した。
しかしガザ南部でも死傷者の出る空爆が相次ぎ、支援団体は繰り返し、ガザに安全な場所はないと訴えている。パレスチナ保健省がガザからの情報として伝えたところによると、イスラエルのガザ爆撃によってこれまでに少なくとも8485人が死亡、2万1000人以上が負傷している。

・ 『散乱する遺体、重傷の子ども、泣き叫ぶ女性 目撃者が語るガザ難民キャンプ空爆の惨状 』(2023年11月1日 CNN)




この記事でも避難先のガザ南部でも、イスラエル側の空爆があることが報じられています。
本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その11 』(2023年10月31日)では、ガザ北部に住むパレスチナ人が南へ避難しても、避難途中、そして避難先でも空爆されていることが、以下の読売新聞と毎日新聞に報じられていることをご紹介しました。
このことと上記のイスラエルの主張を考えれば、イスラエルはパレスチナに対して自衛の戦争を盾にして、明らかに大虐殺をしていることがわかります。こんなことは到底許されることではありません。

・ 『病院は廊下まで負傷者、ガザ避難民「どうしたら生き残れるか」…パン購入に4時間待ち 』(2023年10月20日 読売新聞)

・ 『「ガザに戻った方がまし」 避難先でも続く空爆、市民の日常 』(2023年10月20日 毎日新聞)


そして、以下のCNNの記事は、『ガザで殺害された子ども3週間で3千人超』と報じられ、この数は『世界の紛争の年間死者数上回る』とあります。普通に大虐殺です。21世紀においての最悪の大虐殺。それを以前、ホロコースト(大虐殺)にあったユダヤ人が、同じことをパレスチナ人に対して行なっているのです。もう、今後は、ユダヤ人がホロコーストの犠牲者と言うことを前面に出しても、真剣に受けとめてもらえなくなるだろうと危惧します。

・ 『ガザで殺害された子ども3週間で3千人超、世界の紛争の年間死者数上回る 』(2023年10月31日 CNN)


こういう状況で、米国では反ユダヤ人の行為が以下の記事のように全米で広がっていると報じられています。

・ 『全米でユダヤ人への嫌がらせ・破壊行為・暴力が急増 NYの礼拝所では落書きも…「世の中は“善人か悪人か”というシンプルなストーリーを求めているがそんな単純な話ではない」 』(2023年10月31日 TBS)


そして、この記事には以下のように書かれています。


“ニューヨークに住むアメリカ人さえ、いまやユダヤ人を憎んでいる”
礼拝に訪れる人の中には、恐怖を感じる人もいるといいます。

ユダヤ教の礼拝所 レイチェル・ティモナー代表
「仲間だと思っていた友人や同僚がユダヤ人の命を軽視しているように感じる。とてもつらいことです」

イスラエルがハマスに対する地上作戦を拡大するなか、SNSなどでは「ユダヤ人は自分たちを守るために、パレスチナ人の犠牲を無視している」という批判が目立ちます。
しかし、イスラエルの最新の世論調査をみてみると、国民の多くがガザへの侵攻を支持しているというわけではありません。




イスラエル軍が、パレスチナに対して一方的にこれだけの虐殺を行なっているのに、『ユダヤ人は素晴らしい。もっとがんばれ』という人がいるのなら、それは明らかにさらなる虐殺を望む、まったくの危険人物でしょう。
そして、記事は以下のように続きます。


ユダヤ教の礼拝所 レイチェル・ティモナー代表
「私たちは戦争に反対です。戦争は恐ろしいものです。罪のないすべてのパレスチナ人を救い守るため、あらゆる努力をしなければいけない」

この日、集まった人たちからは「イスラエルは国としてユダヤ人を守る義務がある」という声とともに、「人道危機に対処するため、イスラエル政府に一時的な停戦を求めるべきだ」という意見も聞かれました。

ユダヤ教の礼拝所 レイチェル・ティモナー代表
「世の中は“善人か悪人か”というシンプルなストーリーを求めている。しかし実際はそんな単純な話ではない」




私は、現状において、ユダヤ人への批判が生じているのは、単なる反ユダヤ主義ということではなく、パレスチナでイスラエルのユダヤ人が世界の人々に憎まれることを平然としているからだと考えています。世界のほとんどの人々はユダヤ人がホロコースト(大量虐殺)の犠牲になったことを良しとはしていません。しかし、ユダヤ人がホロコースト(大量虐殺)を行なうことも良しとしていないのです。そういう『単純なお話し』なのです。
アメリカ政府の国務長官のブリンケンも、国務次官のヌーランドも二人ともウクライナ系ユダヤ人です。現在のパレスチナ・イスラエル情勢において、米国がパレスチナ・イスラエル双方に対して、本当に公平でバランスがとれた施策をして、平和を築くことができるかが問われているのです。果たしてそれが本当にできるのか? 『平和、休戦』を唱える『やっている感』だけの見せかけはもはや通用しないのです。正と反、弁証法の世界は通用しないのです。


『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その14』(2023年11月3日)へ続く。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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