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◆『地球再生銘柄を狙え』(1989年12月1日刊)―まえがき
[◆『地球再生銘柄88を狙え』(1989年12月1日刊)]
2018年7月26日 7時31分の記事



 まえがき

 昭和四十年代後半に公害問題が大きな社会問題となった。そのとき荏原製作所が大相場を現出した。株価は四倍にもはね上がった。いま公害問題は一国のなかだけの現象ではなく、国際的どころか地球的規模での環境問題が発生している。地理環境を保全し、再生させるというのは、一国だけでできるほど単純な問題ではない。世界的な規模で実行していかなくてはならないのである。
 そうした状況を背景とする株式相場が一体どのような規模のものになるかを想像逞しくしながら観察してみるなら、今回の地球再生株相場がいかに壮大な規模のものになるかが推察できる。
 なにしろ、日本の公害防止株相場のときも大相場が示現されたのだから、地球規模ともなれば、それはおよそ想像を絶する規模になるであろうというのは容易に連想できるハズだ。
 平成元年春から夏にかけての相場では、消費株、すなわち大量消費時代への突入を背景にした大量消費株がはやされた。その渦中にあって、地球再生株がはやされてかなり「理想買い」された。国際条約により平成元年七月一日より、オゾン層に影響を与える可能性が高い五種類のフロンの規制が開始されたり、同年九月十一日から十一二日まで東京で「地球環境に関する東京会議」(日本政府、国連環境計画共催)が開催されるのを見越して、それらを材料に織り込んでの相場展開だった。
 しかし地球再生株相場が本格的な展開を示すのは、これからだ。「理想買い」の後、一休憩して、いよいよ「現実買い」の段階に入ってくるので、地球再生株相場はまだ緒についたばかりなのである。したがって、これからの動きは大いに期待していい。
 企業活動の観点からすれば、公害防止関連の機器の研究開発や装置・施設を導入することは、本来はあまり儲けにつながらない。"守りの活動"にすぎないので、カネをかけてまで積極的になる企業は少ないのがこれまでのいわば常識だった。
 だが、それではすまされなくなったのが、今日の企業の置かれた立場なのである。深刻な地球環境問題を突きつけられ、その原因者である企業のあり方に対して、国際社会の目が厳しくなってきたからだ。批判が高まってきて企業が活動しにくくなってきた。そうなると、地球の環境を破壊しない企業であるように最善の手を尽くす、しかも批判を浴びる前に逸早く手を打った方がトクだという考え方が、国際的に企業人の間に広まり、本格的な取り組みをしようという意識が
急速に盛り上がってきた。それは平成元年(一九八九年)からのことだった。
 荏原製作所が代表しているように公害問題に積極的に取り組んできた日本の企業が製造する公害関係の防止機器は、世界ではトップ・レペルだ。フロンの規制ばかりでなく、徐々に具体的な対策が打たれてくると、公害防止のための装置や施設の製造技術に関してのリード国である日本の企業のなかで蓄積されてきた公害防止の豊富なノウ(ウが、地球再生という重要な役割を果たすようになる。
 公害、地球環境汚染というのは、科学技術の進歩がもたらした鬼っ子であり、イデオロギーの違いを超えたテーマだ。それは、共産圏をも含めて世界的・地球的なスケールの問題である。それ故に、日本及び日本の企業が果たす役割には計り知れないものがある。
 これを、株式投資の視点で捉えると、荏原製作所をはじめとして公害防止・地球環境保全、すなわち、地球再生に役立つ技術・ノウ(ウ、装置・施設を研究開発し、蓄積してきている企業の株式が高く評価されることをとりもなおさず意味している。これから本当に地球再生のために脚光を浴びてくる企業が選別されながら買われてくる。
 こうした観点から、私は「地球再生株」と銘打った八十八銘柄を厳選した。さらにそれらの銘柄の特徴点にスポッ卜・ライトを当てて、「オゾン層破壊防止株」「酸性雨防止関連株」「大気温暖化防止関連株」「砂漠化防止関連株」「海洋汚染防止関連株」といった五つに分類して、分析した。その結果、八十八銘柄のそれぞれに株式投資の「買い材料」となるものが抽出できた。
 大事なのは、株式投資の場でのそれらの「買い材料」の実戦的な活かし方だ。基本的には、「地球再生相場」がいままさにスタートを切ったばかりであり、それが二十一世紀にまで継続していく大掛りな展開になるだろうという相場観をしっかりと持っていることが、何よりも必要である。一年や二年というように短期では終わらない。地球規模で行われる歴史的な相場となるのだ。
 「地球再生株」は、本質的には「技術開発株」といってもよく、株式投資の実戦上に際しては、企業からもたらされる新技術の研究開発や新製品・新装置の開発についての情報を「新材料」と同じように通常通り扱えばよい。ただ、そのバック・グラウンドに「地球再生」という大きなテーマが控えている点を忘れてはいけないのである。そのうえで「新材料」をタイミングに合わせて「買い材料」として活用していくことになる。
 本書の出版に当たって、地球再生株相場の見通しなどを含めて資料を提供していただいた丸三証券の水野善四郎専務、山二証券の渡辺茂雄調査部長、企画を快く採用していただいた「ぱる出版」の奥沢邦成社長、フリー編集者の清山良一氏に心から感謝の言葉を贈りたい。
 平成元年十一月十五日
                               板垣 英憲


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最終編集日時:2018年7月26日 7時34分

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