欧州情勢、中東情勢に関するいくつかのポイント | |
2015年11月19日 23時49分の記事 | |
我が家では私が生まれる前から読売新聞を購読していますが、昨日の朝刊を見て、驚きました。シリア情勢に関して一面に「米仏シリア空爆強化」と大きな見出しで載っていました。これでは世界の半分しか見れないなと率直に思います。実際、ロシアは、フランスを同盟国と表現をしています。仏米だけでなく、仏露のことも強調しなくてはならないのが、現在の情勢ですが、その一方だけでは世界のよくて半分しか見えません。 現在の世界情勢から考えれば、ここで米仏ということが強調されるのは、明らかに米国中心の世界観です。米国民としてならこの見出しはある意味、ありえるのです。しかし、読売新聞は日本のクオリティー・ペーパーでしょう。これでは日本人の大半は永遠に世界のことはわからないなと率直に思いました。
シリアのかつての宗主国はフランスです。そのフランスが、ロシアと同盟という関係までに至っているわけです。これは明らかに中東・欧州というユーラシアの構図が変わっていることを意味しています。これまでの70年とは状況が違うのです。このことはユーラシアの目と鼻の先にある日本にとって間違いなく重要なことでしょう。クオリティー・ペーパーならやはりしっかりと強調しなくてはいけないことではないかと思います。日米関係は重要です。しかし、それだけを見ていては、世界の動きなどわかるはずもありません。日本も米国も日米関係が壊れる可能性を予期し恐れているから、このような偏った報道が生まれるのかもしれません。 シリアの情勢 シリア情勢では、昨日、言及したようにシリアの平定がポイントです。つまり、国を失い難民となったシリア国民の帰る家をつくることがポイントなのです。したがって、いかなる形で復興を行うかということが既に焦点として浮上していると考えます。それは、今後、シリアに対する空爆から地上戦をいかなる形で行うかということでもあります。 また、シリアの平定と復興の問題は、確実にクルド人の処遇の問題にもなります。これが大きな焦点として今後、浮上すると考えます。 また、米国が湾岸戦争時に、イラクから受け取っている膨大な戦争賠償の扱いをどうするかということもポイントとして浮上するでしょう。 ISのテロリストのアジトから注射器 ISのテロリストのアジトから注射器が発見されたと報じられています((2015年11月18日 NHK)。これは、先日、本ブログ「レバノンでの大量薬物押収事件に見る戦争と薬物の関係」(2015年11月3日)で書いたことと関連しますが、薬物の使用は明らかなことです。そして、このことが意味することは3つあります。 ・テロリストは少人数で活動し、追い詰められている可能性がある ・自爆攻撃の際、薬物が使用されている ・薬物の換金性がポイントとなっている 戦争において薬物の使用はよくあることですが、少人数で活動しているので、寝る時間がかなり制限されている可能性があります。かなり追い詰められている兆候とも考えられます。 自爆攻撃において薬物が使用されるのも戦争においてよくあることです。 そして、注射器の発見は、薬物をテロリストが所持していることの証左ですから、フランスなど欧州でテロリストが活動を行う際の換金物としても実際に使用している可能性が大きくなったと考えます。本ブログ「レバノンでの大量薬物押収事件に見る戦争と薬物の関係」(2015年11月3日)で書きましたが、欧州では薬物汚染が深刻で、当然、薬物売買のネットワークが存在します。薬物を所持しているということはそのネットワークの上でテロリストが資金などを得て活動できることを意味しています。 日本でのテロの危険性は薬物ネットワークにもある 先日、京都で小学生が大麻を使用したという衝撃的なニュースが報じられました。これは明らかに薬物ネットワークが存在することを意味しています。そして、欧州同様、このネットワークがテロの温床となる可能性は高いと考えます。日本でのテロ対策で最も注意を要することであると考えます。海外から薬物が入ってきていることとも考えられますので、そのルートは同時に武器のルートにもなり得ます。もしかしたら、国内生産もあるかもしれません。薬物のネットワークということは様々な問題を引き起こす可能性があります。 自民党は、テロ対策として共謀罪と言っているようですが、このような薬物ネットワークの一掃をテロ対策の第一に掲げるべきと考えます。自民党は人権を制限したい考えが強いように思いますが、国民の人権を制限する前に、考えうる対処をしっかりとやるべきでしょう。 いずれにせよ、京都での事件が、東京ではなく西日本の京都で起こっているということが実は極めて大きな問題なのです。 南シナ海問題 南シナ海に自衛隊の派遣を検討と報道されていますが、中東と欧州で火種が出ている時に、南シナ海で火種となる可能性を増やすのは、世界的に見てかなりの危険性が高いことです。APECで、参加国がテロへの対応で協調したのですから、そのような流れで南シナ海の問題を外交的に処理する局面であると考えます。これでは、新たな火種をつくっていると世界からは判断されるでしょう。先日も本ブログ「フランスでの同時多発テロ事件――本質はテロとの戦いではない?」(2015年)で触れましたが、現状は第三次世界大戦という認識が、バチカンを始め世界的な認識です。その第三次世界大戦を作り出していると思われる可能性はこれでは大きく、日本がその首謀者と認識される可能性も大きくなります。世界の状況をしっかりと俯瞰して、現実の対応を考えるべきでしょう。目の前だけの状況だけで、外交を判断すると思わぬ墓穴を掘ることになります。それは、日本と日本国民の命運に繋がりますので、先の大戦で破滅的な結末を招くような判断ミスはおかさないよう、注意しなくてはならないと考えます。 | |
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