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これほど無能とは
[日本の政治]
2020年4月15日 23時48分の記事

日本政府が行ってきた新型コロナウイルスに対する防疫策は、クラスター対策です。一方、韓国政府が行い成果を上げて世界的に評価されているのは、主に早めのPCR検査と早めの隔離ということですが、日本政府はそのやり方をこれまで頑なに拒絶してきて、結局は緊急事態宣言発令ということになったわけです。この過程を見れば、間違いなく日本政府の防疫策の失敗は明らかで、明確な日本政府の責任問題なのです。現状、感染経路不明ということが大半となっているのに、日本政府・安倍政権は限界を超えて防疫しきれなかったクラスター対策だけをいまだにしてるのですから、呆れてしまいます。正しい施策を早め早めにやるか、それともやらなかいかの問題なのに、いまだにその正しい施策をしようとしないのです。本当にこれほど無能とは。

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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本ブログ「不吉でバカなリーダーは日本のために早くやめてください」(2020年4月14日)で、首相の安倍氏の発言である「感染拡大の状況を客観的事実として評価する限り、諸外国と比しても、わが国の対応が遅かったとの指摘は当たらない」(2020年4月14日 共同通信)に対して、検査難民という言葉が生まれたようにそもそもPCR検査がこれまで十分に行われてこなかった中で、感染拡大の状況を客観的に評価できるはずがないと書きました。
4月3日の東京新聞では、シカゴ大学の山口一男教授が以下のようにPCR検査が少ない日本の状況をゆがんだ感染者数と表現しています。その通りでしょう。そして、そのように歪んでいては正確な評価もできず、政策判断もできないと指摘していますが、まさにその通りです。つまり、国際的に仕事をしている山口教授の言葉を鑑みても、安倍氏のいっていることは、いつものごとくとてもいい加減で、ウソで、単に言い訳にすぎないのです。
そして、このような発言が一国の首相の口から息を吐くように当たり前に出てくるのですから、日本という国はとことん落ちているわけです。明らかに行政能力は韓国の方が上です。このようないい加減なことをしていると、他国からはものすごく不信を買うことになります。日本は人の命を大切にしないと。このように思われることが世界において最も恐ろしいことであると言うことがわかっていないところに、日本のエリートや政治家の愚かしさがあります。人の命を大切にしないと認識されることは、彼らの生存にとって脅威として認識されるということですから、何かあれば必ず真っ先に排除される対象になるのです。それが今回で生まれた日韓の途方もない差なのです。


この問題について安倍晋三首相は三月二十八日の記者会見で「水面下で実際は感染が広がっているのではないか」と問われ、「日本が感染者数を隠しているという議論は違う。死者の数は多くない」などと説明。現状の感染状況には「ぎりぎり持ちこたえている」と従来の見解を繰り返した。
これに対し山口氏は「死亡者数も年間十万人前後にのぼる一般の肺炎死亡者の中に隠れてしまう」と分析する。その上で「ゆがんだ感染者数では、感染の拡大状況などの評価はできず政策判断の材料にも使えない。信頼できるデータを国民と共有し、透明性を持って合理的に政策を進める姿勢が欠落している」と苦言を呈した。 

「<新型コロナ>『感染者統計にゆがみ』 シカゴ大・山口一男教授 日本の少数検査に苦言」(2020年4月3日 東京新聞)


無能、そしてはびこる隠ぺい
検査数が少ないというのは、とにかく実態がわからないようにするということですから、明らかにそれは隠ぺいなのです。そして隠ぺいというと以下の横浜市の隠ぺい工作です。もうすでにご存じの方は多いと思いますが、保育士が感染した保育園に対して、横浜市が事実を保護者に報せないようにさせた問題です。保育園側がその指示に従わなかったために最悪の事態は避けられましたが、本当に大変な問題です。賭博場建設(カジノ)を住民の激しい反対があるのに強引に進める自治体というのはどこかが狂っているのでしょう。市長からして話しになりませんし、実際、このカジノ問題では多くの市民が市長に裏切られたと思っていることでしょう。それと同じことがこの隠ぺい工作でも起きたということなのです。一事が万事。

「保育士の感染『保護者に知らせず続けて』 横浜市が指示」(2020年4月15日 朝日新聞)

この隠ぺいというのは、森友学園問題での赤城俊夫さんの件でも同じです。赤木さんは財務省の上層部から隠ぺいを指示されて、そのことで自死を選んだわけです。この横浜市の件は、保育園が隠ぺいを市から指示されているわけですが、指示している方はどちらも都合が悪いことを隠し、地位の保全をはかるという思考であるわけです。そして、日本の行政を見渡せば、当たり前のようにこのような隠ぺいが行われているわけです。これでは行政の能力以前の問題が日本には相当はびこっているということです。

これほどの無能、エリートの劣化
立憲民主党の高井崇志議員が、緊急事態宣言の発令中、何と性風俗店に通って性的な接触をしていたことが報じられています。この件について批判されるべき様々なポイントがあると考えますが、一番のポイントと考えることは、高井氏が感染を考慮していないことです。感染がもっとも懸念されるのが風俗と濃厚な接触です。性的な接触は所謂、濃厚接触よりもはるかに濃厚であるわけですが、感染の可能性は非常に高いわけです。しかし、そのことをまったく考えていないと言うことに、私はとても驚いています。自分は大丈夫だと思っているのか、それとも欲望が先んじてしまっているのか? それはわかりませんが、いずれにせよ、正常な思考ができていません。そして、このことが最大の問題なのですが、この方、東大出身なのです。東大出身(または他の国内外のエリート校や高学歴)だからといって、しっかりとした思考ができると決めつけて考えるのは、あくまでも幻想と考えるべきでしょう。
実は、政府の体たらくも、この高井氏の件も、どちらもエリートの劣化であると考えます。とにかく、エリート呼ばれる人々の能力がものすごく落ちていると思わざるを得ません。日本社会自体がこれまで学歴や肩書きで判断しすぎたのかもしれません。テレビの報道番組やワイドショーで語っているコメンテーターも肩書きや学歴はとても立派なのですが、話している内容はまったく話しにならないレベルがほとんどです。それでも学歴や肩書きで押し通している状態なのですが、そういうことがいびつな世論形成を生み出しています。
日本人は学歴や肩書きで人を判断しすぎではないかと考えます。そういうことが、政府の体たらく・無能、高井氏のような政治家、そしてロクデモナイテレビの報道番組やワイドショーを生み出し、そして、社会がどんどん悪くなっているということに早く気がつくべきでしょう。
そうして、そういう劣化したエリートの氾濫が、これまでの思考を変えられず、現実対応能力を失い、都合の悪いことはすぐに隠ぺいするという行為が頻発するのです。このような国はまずその根底から考え直さないと何をやっても上手くいきません。まず、立て直しの最初の第一歩はエリートを疑う、東大だからといってもすごいと思わない、学歴や肩書き、権威で判断しないことです。そこから新しいよい日本が生まれていきます。

「LINE入手 緊急事態宣言の最中、立憲・高井崇志議員が歌舞伎町“風俗店”で受けた“サービス”の中身」(2020年4月14日 週刊文春)

すでにはじまっている可能性
北海道で、お金がなくて空腹に耐えきれず無銭飲食をした49歳の男性のことが、以下のように報じられています。この男性がどうしてお金がないのか、その理由はこの記事には書かれていませんが、現状の新型コロナウイルスにおいて自粛や休業で収入の道が途絶えてしまった可能性は大きいと考えます。そして、この事件に限らず新型コロナウイルス問題で収入が途絶え、蓄えもないことから非常に危険な状態に置かれている人は、日に日に増えていると考えます。

「『お金が無いので警察呼んで』所持金ゼロ…牛丼店で1000円以上飲食した49歳男逮捕」(2020年4月13日 北海道ニュースUHB)

本ブログ「安倍政権の愚行」(2020年3月30日)では、政府は現金給付をとにかく4月15日までに完了せよと書きました。現状、大変に逼迫している人が多いと考えますし、その具体的な例が上記のニュースの可能性はとても高いと考えます。そして、このようなことは一日ごとにどんどん悪化していきます。そうなれば4月30日になれば大変な事態が予想されるのです。
しかし、そのような現金給付は補正予算を通して、第二次補正でやるとかやらないとか、いつになるのかわからない、公明党のトップが首相に要請したとかしないとか、自民党の幹事長が発言したとかしないとか、首相が検討しているとかしていないとか。色々な情報は氾濫しているのですが、結局、これまで何も準備をしていないわけで、現状、何も決まっていないわけです。だから、何も動いていいないわけです。
そして、動いていますというアピールだけで、実際は遅すぎるわけです。マスクの代わりに現金を給付しなくてはならなかったのです。色々な動きがあるというニュースは結局は選挙対策でしかないですから、国民にとっては何の意味もありません。これからは決まったことだけを首相が発表するということにすべきでしょう。緊急事態の時はそうするのが鉄則です。国民が混乱するだけです。明らかに現在の政権与党の動きは緊急事態時の動きではありません。ムダな人々によるムダな情報があまりにも多過ぎです。
結局、あーだ、こーだと情報が飛び交い、何もないということが現状の政権与党と日本政府には多すぎます。それで良く考えればマスク2枚というに過ぎません。
しかし、市中では日に日に状態は悪くなっているのです。
そして、本ブログ「発想の転換、やはりこれからは大きく変える」(2020年4月13日)で書いたように、最も弱い人々、苦しんでいる人々、何も持たない人々をまず助けるという発想をしなくてはなりません。これまでと発想を逆転させなくてはならないのですが、以下の報道を見ると、まったくこれまでと同じ発想に終始しています。やはりエリートの没落、すでにこれらの人々の時代は終わっているのでしょう。

「現金10万円給付『方向性を持って検討』 安倍首相」(2020年4月15日 NHK)

「『現金10万円』支給 結論先送り、自公 異例の長時間協議」(2020年4月15日 TBS)

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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