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子どもに政治をやらせるな
[日本の政治]
2020年5月4日 1時51分の記事

大阪府内のパチンコ店の営業について、府知事の吉村氏の発言が以下のように報じられています。発端は府の休業要請にもかかわらず、パチンコ店が営業を続けるので、府が店名を公表した結果、かえってお客が殺到し、逆効果になったことことにあります。その経緯を見て、以下の4月26日の記事のようにラサール石井さんなどが、宣伝になることがわからなかったのかとツィートし、吉村氏が「お気楽な立場だよ」と吐き捨てるように発言。その後、営業を続けていた店は休業、そのことについて吉村氏が「『宣伝になるんじゃないですか』と言ってたみなさんに、これについてどう思うか聞いていただきたい」(4月30日 日刊スポーツ)と発言したことが報じられています。吉村氏とラサール石井さんなどとのバトルになったわけですが、府知事としてはそぐわない子どもじみた発言にはちょっと閉口します。

「吉村知事「お気楽な立場だよ」ラサール石井に言及」(2020年4月26日 日刊スポーツ)

「吉村知事『宣伝になると言ってた人に聞いてほしい』」(2020年4月30日 日刊スポーツ)

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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あくまでも吉村氏がやることは防疫、行政です。新型コロナウイルス感染拡大防止と収束に全力をつくし、なおかつ医療崩壊などが生じないように万全を尽くすことが職責であり、そのことに専念すべきなのです。営業を続けていたパチンコ店名を公表して人が殺到したら、それを予見できなかった吉村氏の失策なのです。私は店名を公表することは正しい方針と考えますし、実際、そのことによって人が殺到するとを私も予想していませんでした。
このようになるポイントは、ギャンブル依存症が極めて根深く、またそれが社会にとって非常に危険であることの証左なのですが、やはりこのような事態は予測できませんでした。ラサール石井さんはとても慧眼だと考えます。そして、吉村氏も『ラサール石井さんは本当に慧眼。私は予測できずリスクをつくり出してしまい、このことは率直にお詫びする』といえば良かったのです。それを「お気楽な立場だよ」と腹いせまじりに言い放ってしまえば、それは間違いなく権力者であることを忘れた言論弾圧なのです。それも子どもじみた。若いからといって何でも言って良いわけではなく、民主主義社会における行政官、権力者としての発言をしなくてはならないのです。それがわかっていないと考えます。かなり子どもという感が否めません。
また、その後、パチンコ店が休業することが明らかになったときの吉村氏の「『宣伝になるんじゃないですか』と言ってたみなさんに、これについてどう思うか聞いていただきたい」という発言も、腹いせまじりの子どもの発言です。パチンコ店の休業という感染拡大を防ぐための措置を成し遂げたことが大事であって、それで良しとして黙って次に進むべきなのに、そこでまた子どもじみた発言をしてしまう。これは知事の発言ではないのですし、結局、権力者として大きなプレッシャーを市民にかけることになっているのです。まさに言論弾圧です。これが吉村氏の本質なのかもしれませんが、政治を語る以前の幼稚さをどうしても感じてしまいます。深みがまったくない。

ギャンブル依存症の闇の深さと経済優先主義
不要不急の外出を控える。スーパーに行って食品などを購入することは、生きるために必要な、緊要、必要喫緊の外出です。しかし、ほとんどの人はそのような外出もできるだけ簡単に終えて、感染のリスクを避けたいと考えていると思います。
しかし、ギャンブルは生きるために必要ではありません。緊急事態宣言発令中に不要不急のパチンコ店に行く人々は、長時間、室内にとどまることを問題なしとしているわけです。実はこれには本当に驚くのです。このような行動の本質は、世の中の眼に反して行動しているとか、行政の要請に反しているとかではなく、感染のリスク、すなわち生命のリスクを冒してまでもパチンコをしにいくということなのです。パチンコをする快楽が生命のリスクに勝っていると言うことなのです。世の中の眼に反して行動するとか、行政の要請に反するとかいうのは二次的なことであって、本質はこのギャンブル中毒・依存症にあるわけです。
このことは、緊急事態宣言発令中に性風俗店に通って極めてリスクが高い性的な接触をしていた立憲民主党の高井崇志議員とまったく同じだと考えます。快楽の追求が生命のリスクを冒すことに優先し、感染の危険性を凌駕しまうわけで、それは間違いなく中毒・依存症と考えます。ただ、生命のリスクを冒すことに対する思考が働かないというのは、社会的に極めて危険であるのです。このような人たちが、感染を広げるスプレッダーになる可能性は極めて高いわけですし、さらに他人の命に対して思考が働かない行動をする可能性が極めて高いのです。
もちろん、パチンコ店に行く方も行く方ですが、営業をしてそれを受け入れる方も受け入れる方です。なんだかんだと言っても、結局、それは営利活動であって、生命のリスクを冒すことに対する思考が働かない人々の遊興によって利益を上げているわけです。世の中の極めて多くの人々は、政府の十分な補償がないにも関わらず、営業自粛をしているわけです。そのような中で、感染拡大を誘発する可能性がある遊興施設の営利事業をするというのはあくまでも不公平なのです。ことは大阪だけのことではありません。
この意味でいうのなら、補正予算で観光需要喚起「Go Toキャンペーン」に約1.7兆円というのも、安倍政権・日本政府による観光業だけを特別扱いする不公平です。安倍政権・日本政府は総じて遍くしっかりと補償や支援を国民にしなくてはならないのに、特定業種についてそれも新型コロナウイルス終息後のことでこのような不公平を行うのはまったくおかしなことなのです。今後、その優遇策が裏目に出ていくことでしょう。
現状、感染拡大を収束させるために、国民のほとんどは行動を自粛しているわけですが、そのような者からすると、このようなパチンコ店やそこに通う人々は明らかに感染を拡大させる反社会的な存在に映ります。そして、感染収束を遅らせるのですから、当然、経済を傷つける存在でもあるのです。
このことは本ブログ「緊急事態宣言延長も経済の失速もすべて安倍政権のやり方が原因?」(2020年5月3日)で書きましたが、パチンコ店やそこに通う人双方とも生命のリスクを冒すことに対する思考が働かない人々ということであり、さらにその思考は社会に対してもする反社会的と映るのです。
ポイントは社会に対しても生命のリスクを冒すことに対する思考が働かないということで、これは感染なぞは関係なく経済を回せという無謀な考えと根底は同じなのです。そして、以下の記事にあるように、ホリエモンの考えもまったく同じと考えます。その考えは結局は命や社会より経済の方が大事という思考に過ぎず、上記のパチンコ店やそこに通う人々とまったく同じであると考えます。

「ホリエモン、ブラジル大統領の経済活動再開の訴えに賛同「まさに正論」」(2020年4月20日 スポーツ報知)

「ホリエモン コロナ禍の自粛風潮に『経済回せ』の有言実行」(2020年4月28日 日刊ゲンダイ)

私も本ブログ「緊急事態宣言延長も経済の失速もすべて安倍政権のやり方が原因?」(2020年5月3日)で経済を回すと言うことを書いています。経済を回さなければならないのは明らかです。これは間違いありません。
しかし、ワクチンや特効薬ができるまでは、防疫で成功している韓国のように感染防止の必要な措置をしっかりと行い、医療環境をとにかく充実させた上でやるという大前提があっての話しです。そのような大前提がなければ、経済を回しても感染爆発が生じて医療崩壊、そして社会崩壊を生じさせてしまいまいます。そのような医療崩壊や社会崩壊を起こしてしまっては、経済なぞ成り立つはずは毛頭ないですし、極めて多くの人々はそのような命を犠牲にしての環境に耐えることはできないでしょう。このようになってしまえば、経済を破滅的な状態にしてしまいますし、そうなってはそのことで極めて多くの人が、新型コロナウイルスと経済崩壊で苦しむことになるのです。
上記ブログ記事などでは、安倍政権・日本政府はそのような経済を回すために必要な措置をこれまでほとんど何もやっておらず、緊急事態宣言延長となっていることが問題であると指摘し、それこそが、経済にダメージを与えていると指摘しているのです。これでは何時になっても韓国並みに経済を回すことができません。
いずれにせよ、現状は、人の命と社会の維持を最優先に考えることで、経済を救うということになり、それが経済合理性が最もあることなのです。感染拡大を抑止する合理的な決め手がないなかで、経済を動かせば、必然的に経済を壊し、そして、今、社会が行ってる努力を無にすることになるのです。それでも営業するのはかまいませんが、そのことによって感染が拡大したことが確認されれば、当然、行政は損害賠償などの措置をとるべきだと考えます。
結局、このホリエモンのような考えは、その根底に新自由主義があると考えます。命よりも社会よりもお金が大事という考えです。この30年、この新自由主義が日本社会を蝕み、壊してきましたが、今、そのことがあらゆる意味で極まっていると考えます。その象徴がこのホリエモンの言動にも集約されていると考えます。結局、国民が犠牲になっても経済を回さないと利益を失う人たちがいると言うことです。本当はそこにポイントがあるのです。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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