なるほど米国のためにはなったのでしょう その2 | |||||
[日本の政治] | |||||
2022年7月31日 0時51分の記事 | |||||
以下の記事のように、7月20日、米連邦議会上院で安倍晋三さんの功績をたたえる決議案が提出、満場一致で採択と報じられています。このことについては本ブログ『なるほど米国のためにはなったのでしょう』(2022年7月16日)で取り上げ、安倍晋三さんが文句なしに米国の利益のためになったと言うことが、この記事ではっきりとわかる書きました。そして、さらに、もう一つ明白なことがあるのです。 ・ 『米議会上院 安倍氏の功績たたえる決議案 全会一致で採択』(2022年7月21日 NHK) ・ 『米議会上院 安倍元首相の功績たたえる決議案提出 採択の見通し』(2022年7月15日 NHK)
それは、安倍晋三さんが親ロシアではなく、親ウクライナの象徴であるということです。このことは本ブログ『現状を考える上で非常に重要な記述』(2022年7月21日)でしっかりと書き、そこには当然、統一教会というキーワードも出てきます。是非ご覧になって下さい。 このように反ロシア親ウクライナの安倍晋三さんだからこそ、ロシアと敵対している米国でその功績が上院において満場一致で称えられるのです。現在の米国において、安倍晋三さんが親ロシアなら、このように米連邦議会上院で満場一致で功績を称えられることは絶対にあり得ません。 安倍晋三さんは、親ロシアという『珍説』がまかり通っていますが、この一件を観てもそれが珍説であることは明らかでしょう。そして、だからこそ、本ブログで取り上げたように、安倍晋三さんが親ウクライナで、3月23日のゼレンスキーの国会でのオンライン演説後、安倍晋三さんがウクライナとともにと高らかに宣言するわけです。とてもわかりやすい。 ・ 『安倍氏「日本はウクライナとともに」 大統領演説受け』(2022年3月24日 日本経済新聞) ・ 『故安倍晋三さんのツィート』(2022年3月24日) 本ブログ『現在の日本の対ウクライナ政策はアベ政権の『積極的平和主義、自由と繁栄の弧』の一環にすぎない その1』(2022年)とそれに続く『その2』で申し上げたように、安倍晋三さんは、日本で最もウクライナに近い政治家で、第二次安倍政権下で長年、莫大なウクライナ支援を行なってきています。そのことを『ザ・フナイ』の連載で批判しましたが、その第二次安倍政権下でのウクライナ支援を実行していたのが同政権の外相であったキシダ氏です。 したがって、以下の記事のように反ロシア・親ウクライナという姿勢において、キシダ氏と安倍晋三さんが乖離していることはありません。実際、この記事のあとに行なわれた、ゼレンスキーの国会でのオンライン演説に呼応して、上述のように安倍晋三さんは「日本はウクライナとともに」とはっきりと宣言しているわけです。このような安倍晋三さんの方向性は、第二次安倍政権のときからはっきりしていることなのです。そして、この第二次安倍政権のときからの動きが非常にポイントなのです。 ・ 『ゼレンスキー氏 日本の国会での演説で岸田首相の「安倍離れ」加速か』(2022年3月21日 ) 現状のロシア・ウクライナ情勢の発端は2013年、米国がウクライナを強烈な反ロシアにすることへと動き始めたことから具体的に始まります。その中核はオバマ政権であり、その実行をバイデン・ヌーランドが担当しました。その時の米国務長官がヒラリー・クリントンなのですが、この時の動きが現在の戦争状態をつくり出したのです。 以下の記事でもエマニュエル・トッドが『世界の不安定性はロシアではなく米国に起因している』といっています。このことは世界的には常識的なことですが、トッドの知性には常に熱くさせられます。 ・ 『エマニュエル・トッド氏「日本はウクライナ戦争から抜け出せ」』(2022年5月31日 日経ビジネス) 話を戻すと、オバマ政権がウクライナを強烈な反ロシアにする施策を繰り広げていた時、日本の政権を担当していたのが安倍晋三さんで、上述のように親ウクライナの政策を実行し、その当時の外相がキシダ氏であるわけです。 だからこそ、2016年の米国大統領選挙では、選挙の投票がなされる前に、安倍晋三さんはヒラリー・クリントン支持を鮮明に表明し、何とヒラリーのところに陣中見舞いにいくのです。日本の首相が選挙前に陣中見舞いにいくのですよ。選挙前に。 これはあり得ないことですが、もちろん、その姿勢にはこの親ウクライナの政策という共通項があると考えるのが自然です。さらに、本質的にはトランプでは日米同盟が危うくなるからです。以下の記事ではっきりとそう書かれています。 ・ 『安倍晋三首相とヒラリー氏の会談、米大統領選直前に異例 にじむトランプ氏への不信感、日米同盟崩壊への危機感』(2016年9月20日 産経新聞) 安倍晋三さんと一心同体であった産経新聞の記事ですから、このヒラリー・クリントンとの会談における安倍晋三さんの本音は、非常に忠実に記事に書かれていると考えます。以下のように書かれています。
この記述が第二次安倍政権のポイントの全てなのです。同政権の本質は日米同盟・日米安保条約堅持であり、戦後体制・朝鮮戦争堅持であり、岸信介さんを中心としてつくり出した『戦後レジューム』の継続です。これは誰がなんと言おうと間違いがありません。そういう安倍晋三さんの方向性において、岸信介さんの時代からの統一教会との関係があるのです。岸信介さん・安倍晋三さんと統一教会との関係は、この朝鮮戦争・日米安保条約・日米同盟という戦後体制の中でのことなのです。こういう歴史的なことは忘れてはなりません。 日本の戦後とはこの朝鮮戦争・日米安保条約・日米同盟なのですが、だからこそ、後述するように日本の米軍基地(横田など)に朝鮮戦争の後方支援基地があるのです。日本は朝鮮戦争の戦争当事国であることは忘れてはなりません。日本に朝鮮戦争の後方支援基地があり、韓国に前線基地があり、日韓が合体したところに米軍が存在して、朝鮮戦争の戦時体制が築かれているのです。日韓+米軍という戦時体制です。 そして、このような戦時体制においてCIAの日本での活動があるのです。戦争と諜報機関は表裏一体なのです。岸信介さんについては『ウィキペディア』では以下のようにあります。
そのまんまですが、これは常識的なことです。 また、統一教会については、以下の『ウィキペディア』のように、米CIA資料で『統一教会はKCIAが政治活動の目的のために組織』ということが出てくるのです。KCIA(韓国中央情報部)とは韓国版CIAで、その後の国家安全企画部、現在の国家情報院です。(下線は片桐)。
このKCIAは『日本で起きた金大中事件では、日本の東声会や山口組系暴力団と共に児玉誉士夫がKCIAに協力して金大中を拉致した』と『ウィキペディア』に書かれています。まあ、これはまったくの勝共連合ですね。 さらに言うのなら、このKCIAの後身である国家安全企画部が北朝鮮と繋がって、北朝鮮と敵対しているはずの韓国の保守勢力を後押しすることが描かれているのが、本ブログ右側にある映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(2018年)なのです。もちろん、この映画は実話に基づいていますが、統一教会がなぜか北朝鮮と強い繋がりがあるのも、このような背景を見るとよくわかると思います。端的に、日韓朝+米で『朝鮮戦争を作り上げている』と言うことです。そういうところにCIA、KCIAの活動があるのです。 だからこそ、本ブログ『安倍晋三さんの政権で日本が失ったもの――それは国民の知る権利』(2022年7月28日)で申し上げたように、六ヶ所村のウラン濃縮施設と同じものが北朝鮮にもあったということが、当たり前のように起きていて、以下の2012年のアエラの記事のようになるわけです。 ・ 『北のエンジニアの気になる発言「モデルは六ヶ所村」』(2012年12月19日 アエラ) そして、日本の自民党については、『ウィキペディア』には、自民党がCIAの支援を受けていたと書かれています。私が何度も取り上げた1971年の『富士ジャーナル』での小日向白朗の証言にも、このことはお金に流れに至るまで実に詳細に出てきます。この自民党とCIAの関係は半ば常識的なことですし、上記の岸信介さんとCIAの関係を見れば明らかなことです。それなら、岸信介さんの孫の安倍晋三さんが米国上院で満場一致で賞賛されるのは当たり前といえば、当たり前のことです。
日韓朝+米で朝鮮戦争を作り上げているからこそ、このような繋がりがあるのです。岸信介さん・安倍晋三さんと統一教会との関係は、この朝鮮戦争・日米安保条約・日米同盟という戦後体制の中でのことなのです。そして、そういう統一教会が日本国民に多大なる被害をもたらしてきたと言うことなのです。これが戦後体制の実像なのです。 繰り返しになりますが、このような戦後体制だからこそ、日本には朝鮮戦争の後方支援基地が横田の米軍基地にあるのです。以下の事実通信の記事にそのことが書かれていますが、忘れてならないことは、日本も戦後一貫して朝鮮戦争の当事国であり、いまだにそうであるということなのです。日本国民の99%以上がそのことがわかっていません。だから、本質が見えない。 そして、そういう戦時体制の中のこの朝鮮戦争・日米安保条約・日米同盟という戦後体制であり、岸信介さん・安倍晋三さんと統一教会との関係があるのです。これが戦後政治の闇なのです。しかし、今やそれが明らかになった。 ・ 『朝鮮国連軍後方司令官 インタビュー』(時事通信) そして、安倍晋三さんの親ウクライナの政策と日米同盟の堅持とは、同じ脈略の中にあったわけです。だからこそ、本ブログ『現在の日本の対ウクライナ政策はアベ政権の『積極的平和主義、自由と繁栄の弧』の一環にすぎない その1』(2022年)とそれに続く『その2』で申し上げたように、日本で最もウクライナに近い政治家・安倍晋三さんが長らく行なってきたウクライナ支援は、安倍晋三さんの「自由と繁栄の弧」(2006年)、「積極的平和主義」(2013年)と当然、直結した反ロシアの地政学的な動きとなるのです。 それを徹底して遂行したらかこそ、安倍晋三さんは米上院で満場一致で称えられるわけです。話は単純、とてもわかりやすいのです。 このような背景があるのですが、2016年の米大統領選では、日本の戦後体制を終焉させる方向性を持つトランプが勝ってしまったわけです。それで、安倍晋三さんはとても焦り、トランプとのコネクションを、外務省をすっ飛ばして親しい統一教会のルートを使ったわけです。そのことが以下のリテラの記事に書かれていますが、もとは『新潮45 2017年2月号』が報じたものです。 ・ 『「統一教会が安倍・トランプ会談を仕掛けた」説にこれだけの状況証拠! 勝共連合機関誌も2人のタッグを絶賛』(2017年1月24日 リテラ) もちろん、もともとトランプと統一教会が近いわけではありません。2016年の大統領選挙中から日米同盟(日本の戦後体制)の終焉への言動があったトランプが、日米同盟・朝鮮戦争の申し子である統一教会と親和性があるわけはありません。 それにトランプと統一教会の関係が近ければ、安倍晋三さんがヒラリーと会談しても、トランプと安倍晋三さんの関係は、はるか以前に成立していたことでしょう。安倍晋三さんがヒラリーに動いて、しかしトランプが当選してしまって、慌てるというようなことは起きないのです。 日米同盟・戦後体制を維持するためにヒラリー支持を明確にしたが、トランプが当選、何とか日米同盟・戦後体制を維持するために統一教会を使ってトランプへの接近をはかったと言うことと考えるのが自然です。 トランプと統一教会との本格的な関係は、この時が初では無いかと考えますが、このあと、トランプ支持層に統一教会系の勢力が相当浸透したのではないかと考えています。そして、最終的にトランプはそのことにかなり左右されるようになってしまった。 そういうことが、2020年の大統領選挙にあらわれたと考えます。結果として、トランプは統一教会系の勢力が相当浸透したトランプ派によって足を引っ張られ葬られたと考えます。 それは、そうです、安倍晋三さんも統一教会も朝鮮戦争・日米同盟・戦後体制堅持で、トランプはその反対ですから、大統領選挙でトランプに当選されては困りますし、復活されても困るのです。そういうことは一貫してバイデン・ヒラリーと利害が同じなのです。ペロシも同様でしょう。 このような統一教会系の勢力が相当浸透したトランプ派については、反ワクチン、反マスクの動きにそれを見ますし、さらに不正選挙の動きも同じであると考えます。 また、このことは、以下のビデオでチャンネル桜の水島さんが行なっている証言をみても明らかと考えます。水島さんは、日本での熱狂的なトランプ支持デモは統一教会のものとはっきりとおっしゃっています。大体8分30秒付近からはじまりますが、その15秒前から以下のビデオは始まります。 ・ 『【直言極言】戦後保守と統一教会−真正保守の再建を![桜R4/6/10]』(2022年6月10日) このようにはっきりと水島さんがおっしゃるのですから、しっかりとした根拠があった上で、そうおっしゃっていることと考えます。他、水島さんがおっしゃる統一教会と繋がりがある団体についても、正しいことと考えています。 それにしても、水島さんを久しぶりに拝見しましたが、変わらずお元気そうで、まったく衰えがない姿には心から驚きます。上記ビデオはチャンネル桜が統一教会とは一切関係が無いということを宣言するものです。6月10日の配信ですが、絶妙なタイミングのビデオだと感嘆します。 チャンネル桜を擁護するわけではありませんが、数年、チャンネル桜と水島さんと関わったことを振り返れば、統一教会とそのような関係はないと考えます。ただ、チャンネル桜に出入りしていた人にそういう人がいた可能性は十分にあります。とは言え、チャンネル桜と水島さんの根幹はそういうものではなかったと私は感じていました。だから、お付き合いしていました。あくまでも感じであって、すべて調べたわけではありません。 私の考えは今やチャンネル桜とはかなり違います。このビデオにおいて水島さんがおっしゃっていることも違うなと思うことは多々ありますし、戦後についての分析は違うなと思っています。 でも、水島さんは好きな方です。何というか憎めない方で、何となく慕ってしまう方です。それは今でも変りませんが、そのように水島さんについて思ってしまうのは、水島さんに心があるからでしょう。水島さんも含めてチャンネル桜のスタッフの方々はとても好きでした。このことは、当時、かねがね彼らにもいつも申し上げていました。ただ、第二次安倍政権が発足してからはまったく変ってしまった。私はそう思っています。残念ながら。まったく別物になってしまったのです。 | |||||
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