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ペロシ邸襲撃という事件の本質は世界情勢を考えないとわからない
[日本の政治]
2022年10月30日 22時33分の記事

ペロシ米連邦下院議長の自宅が襲撃を受けたと報じられています。ペロシについては私がこれまで『戦争屋』と評してきました。無論、その評価は変ることはありません。そして、今回の犯人はトランプ支持者。リベラルでハツラツとした女性で、反トランプの旗頭であるペロシ下院議長が、『狂ったトランプ(支持者)』に襲撃された。トランプ(支持者)とはなんて暴力的で無法者なのか、クリーンなリベラルの米民主党は狂ったトランプのいつも被害にあっているということが、この事件のメッセージです。このニュースを観て、11月8日の中間選挙は、すでに言われているように、民主党がそうとう劣勢なのだと改めて思いました。

・ 『男がペロシ下院議長宅を襲撃、夫に重傷 トランプ氏の不正主張支持、中間選挙に影響も』(2022年10月29日 産経新聞)

・ 『ペロシ米下院議長の夫、自宅で襲われ重傷 狙いは議長か』(2022年10月29日 BBC)

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何でも陰謀論で片付けるつもりはありませんが、この事件を仕掛けたのは、民主党も含めたネオコンと考えるのが正解と考えます。まともなウォッチャーなら即座にそう考えるでしょう。
それでは、それはなんのためか? それは、言うまでもなくウクライナ、戦争です。米国だけではなく、日本も含めて、今、世界はこのロシア・ウクライナ情勢で全てが回っています。特に西側はそうでしょう。それはなぜか? それは、このロシア・ウクライナ情勢は西側が仕掛けているものだからです。
その仕掛けている代表がこの『戦争屋であるネオコン』なのです。日本でもテレビ朝日や産経新聞などはあからさまにネオコンと私は考えますし、政界なら自公政権や連合・立民右派・維新などが、このネオコン勢力と考えます。戦争になれば『連合』の労働者は儲かるからそうなるのだろうと私は考えます。せいぜいその程度の人々。しかし、こう見ると、なぜか、統一教会との関係が濃いと言われるところと重なるなとやはり考えてしまいます(よね? 普通なら)。
このロシア・ウクライナ情勢を、フランスの人類学者 エマニュエル・トッドは、一言で見事に表しています。


今の状況は、「強いロシアが弱いウクライナを攻撃している」と見ることができますが、地政学的により大きく捉えれば、「弱いロシアが強いアメリカを攻撃している」とみることもできます。

『第三次世界大戦はもう始まっている』(2022年 文春新書 31頁)




トッドはやはりさすがです。この短い言葉に全てを言い尽くしています。彼ほどの知性が日本に皆無なのは本当に不幸なことです。自戒を込めてこのように申し上げておきます。ただし、この本に書かれている日本の核武装化には反対します。その理由は現在の日本が核武装化するのは、ウクライナが核武装化するのと同じ意味になるからです。
話を戻すと、英米・ネオコンは、少なくとも2013年から対ロシアでウクライナに、政権転覆も含めて、仕掛けています。ウクライナを対ロシアの軍事要塞にするためです。そして、このことを牽引してきたのが、言うまでもなく戦争屋ネオコンや戦争屋バイデン(ハリス)・ヌーランドなのです。このことは、本ページ右側のオリバー・ストーンの映画にしっかりと描かれています。
そして、ロシアがこのような英米・ネオコンの攻撃にこれまでさらされてきたからこそ、『弱いロシアが自衛のために強いアメリカを攻撃せざるを得ない状態』になっているのが実相で、だからこそ弱いロシアと強い英米との戦争という『第三次世界大戦』にすでになっているということなのです。このようなことは専門家では常識的なことです。専門家をかたってこのようなことを言わないのは、単なるバカか、英米・ネオコン側でこの第三次世界大戦のプロパガンダやミスリードをしているからです。
ロシアに対する英米・ネオコンの攻撃・動きについては、私でさえ2014年から『関係者』から聞いています。
そして、この戦争は、人類の終末に繋がるものです。つい最近もその『関係者』にそう聞きました。これはウソや脅しではありません。現在は、その『終末』が何時になるか、もしくは運良くその『終末』を回避できるかという段階なのです。危機なのです。
しかし、米民主党などをはじめとする英米・ネオコンが、この『終末』への動きを狂ったように続けているのです。そして、11月8日の中間選挙で、民主党が米連邦議会で過半数を失い、影響力を失うと、この『第三次世界大戦』を英米・ネオコンが続けることが困難な状況に直面するのです。
だからこそ、以下の記事のように中間選挙で民主党が劣勢になっていると分析されていた状況において、ペロシ邸襲撃という事件が『必要』になるのです。これは戦争屋ペロシが台湾を訪問して、中国を刺激したこととも同じ意味・背景なのですが、このペロシ邸襲撃事件によって生じることは、当然、中間選挙で民主党に票が流れることです。それが目的。
もし、このペロシ邸を襲撃した『狂ったトランプ支持者』が何もしなければ、すでに中間選挙で劣勢が言われていた民主党は自然に負けるのに、このトランプ支持者の行動によって民主党に有利になるという不可解さなのです。なんでこれほど良いタイミングで起るのか? 選挙のときはこういう不可解な必然が往々にして起こるものです。こういうことに偶然はありません。
そして、このような事件によって、活動を再開しようとしていたトランプの動きにもマイナスになるということなのです。

・ 『11月の米中間選挙は共和党が民主党を逆転、バイデン劣勢に』(2022年10月18日 Forbes)


○『狂ったトランプ支持者』の正体
そうなると、ここでポイントになるのが『狂ったトランプ支持者』の正体です。これは今回の『犯人』だけではなく『狂ったトランプ支持者(の一部)』の正体です。
この『狂ったトランプ支持者』が2020年の大統領選挙では、まず新型コロナウィルスについて『マスクをするな、経済をまわせ、コロナはカゼ』と絶叫して、米国では感染者と犠牲者が急増、このことで大統領選挙戦前の2020年8月時点ですでにトランプは支持を失っています。この時点でトランプはすでに負けがほぼ確定していたわけですが、その理由がこの『新型コロナウィルス問題』だったのです。このことは当時、本ブログ『トランプの致命的な失策 (1)』(2020年8月7日)に書きました。
このトランプ支持者による『反トランプ運動』は、恐らく2020年4月の韓国総選挙において、新型コロナウィルスに対する防疫政策が評価された文在寅政権の共に民主党が大勝利したことの反対を行なったものと考えます。
いずれにせよ、この新型コロナウィルス問題を筆頭に『反トランプ運動』をする一部のトランプ支持者にトランプが引っ張られて、トランプは大統領選挙戦で敗北しました。このことは、トランプとトランプ支持者のワクチンに対する態度の違いを見ればはっきりとわかります。以下の記事には、トランプがワクチンを追加接種したことについて、反ワクの『トランプ支持者』が非難したとはっきりと書かれています。

・ 『トランプ氏がコロナワクチン追加接種 一部支持者からブーイングも』(2022年12月21日 毎日新聞)

因みに私は反ワクではありませんが、ワクチンが絶対に安全と考えるのは間違っていると考えています。医療や医薬品の危険性について留意することは、行政やジャーナリズムの当然の使命と考えています。国民の利益のためにそこに手抜きがあってはならない。
また、現状、自公政権によってワクチン・薬の開発の自立性が完全に失われたことは大きな問題と考えています。日本において新型コロナウィルスに関わるワクチンや薬の話は、マユツバの怪しい話が多く、こういう劣化した状況は早急に改善すべきです。この典型例は大阪府知事の『うがい薬』でしょう。こういう劣化した状態は国民の利益を損ないます。この自立性の喪失については本ブログ『行政の後進性とワクチンの自立性の喪失は同じこと』(2021年4月5日)などで書きました。本質的な問題は自公政権や財界によってなされてきた日本の空洞化と自立性の喪失です。
ここではトランプと反ワクが多い『トランプ支持者』との違いを浮き彫りにすることがポイントなので、ワクチンの安全性の論点やワクチン開発の自立性などについては、これ以上は書きません。
話を戻します。
この『狂ったトランプ支持者』と同じ主張を日本で誰がしていたかということを見れば、その『トランプ支持者』の背景がかなりわかると考えます。
そして、この『狂ったトランプ支持者』が2020年の大統領選挙は不正選挙と叫びながら連邦議会に突入したわけで、無論、その動きの本質はトランプに『トドメを刺すため』でしかありません。二度とトランプが大統領選挙に出られないようにするための『反トランプ』の動きです。
このような『狂ったトランプ支持者』がトランプの評判を下げ、トランプ及び共和党にマイナスになり、ネオコンの民主党にプラスになるということなのです。トランプ支持者の一部には、意図的に反トランプの動きをするものが確実にいるということです。敵陣営のスパイがこういう動きをするということは選挙では良くあることです。
そして、このことは、今回のペロシ邸襲撃事件と構図はまったく同じなのです。
英米・ネオコンがやっていることの目的は『戦争』です。
だからこそ、トランプは戦争をしなかった大統領と言われたのです。必然、戦争屋のペロシやバイデンと反目するわけです。念のために申し上げておきますが、共和党にもリズ・チェイニーなどの戦争屋ネオコンは存在し、トランプとはまったく反目しています。チェイニーは父親の代から米国を代表するネオコン・戦争屋と言われてきました。また、マケインもネオコン・戦争屋の典型でしたから、当たり前のようにトランプと反目したのです。
あと、付け足せば、この連邦議会への突入は、一種の『カラー革命』と考えるべきことでしょう。『カラー革命』とは一体何なのかということにポイントがあります。

世界情勢の現実を見つめていれば、このペロシ邸襲撃という事件の本質はとてもわかりやすいことなのです。こういう背景がアメリカ国民に見透かされて、逆に民主党が中間選挙で票をさらに失う可能性はあります。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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