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北朝鮮のミサイルの意味
[日本の政治]
2022年11月5日 23時39分の記事

北朝鮮がさかんにミサイルなどを飛ばしています。そのことについて少し書きましょう。

・ 『“北朝鮮 きょう午前 黄海に向け弾道ミサイル4発発射” 韓国軍』(2022年11月5日 NHK)

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本ブログ『『米国の同盟相手は「北朝鮮」』By ハリス、アメリカの副大統領』(2022年10月4日)では、『いまだに続く朝鮮戦争(冷戦)は日韓朝+米で作り上げているのです。そういうところに勝共連合があるのです。それが戦争の構造』と書きました。実は日韓朝+米の利害は一致してるわけで、その中でミサイル発射などの話があるわけです。こようなことの具体的側面をこのブログでは、以下のように書きました。


要するに北朝鮮のミサイル発射は、韓国保守派の米韓同盟強化と軍拡の主張に口実を与え、尹氏はその主張を北朝鮮のミサイルとともに声高に叫ぶと言うことです。さらに支持率が24%まで落ちている尹政権は、ミサイルを発射した北朝鮮を非難して政権への支持回復に繋げられるわけです。内政が危機の時に外敵に国民の眼を向けさせることで、政権の安泰をはかるという古今東西の常套手段を、韓国保守派のために北朝鮮が提供すると言うことなのです。
そして、これは日本でも同じです。急激に支持率が落ちてしまったキシダ政権にとっては、北朝鮮を非難して外敵に国民の眼を向けさせることができます。言うまでもなく、キシダ政権の内政はガタガタ。
そして、キシダ政権の軍拡路線も、日米同盟堅持も、韓国と同じく北朝鮮のミサイル発射が正当化することになっています。




韓国なら現状は、梨泰院の大惨事が政治的には尹政権にとってはマイナスに働いていて、主にこのことが、この北朝鮮のミサイルの意味と考えられます。
しかし、この日韓朝+米の利害が一致していることは、もう一つの状況が動き出す可能性を秘めています。このことは本ブログ『<国際情勢> 韓国大統領選挙』(2022年3月11日)で書きました。そこでは『これまでの形(休戦)での朝鮮戦争は終わる可能性』が高いと書き、シナリオとして朝鮮戦争が冷戦ではなく熱くなる、つまり戦争が再開されると書きました。そして、そこに日本が巻きこまれる可能性は非常に高いとも書きました。
もう一つのシナリオとして書いたものは、東アジアの新たな火種としての南北統一で、これは良くない南北統一だと書きました。
この二つシナリオは朝鮮戦争の構造である日韓朝+米(英)の利害が一致しているからこそ起こるもので、それは対中露、特にロシア・ウクライナ情勢に連動して動いていきます。
これらのことはすべて繋がっていることで、世界の構造として昨年の9月から新しい時代になっていることによって生じています。このことは想定しなければならないことです。
そして、この二つのシナリオとなった場合、人類の終末はかなり近くなると考えています。その理由は本ブログ『ペロシ邸襲撃という事件の本質は世界情勢を考えないとわからない』(2022年10月30日)に書きました。また、以下の米FOXのタッカー・カールソンの番組で米軍の退役中佐であるダニエル・デイビス氏が、米国の都市を失うなどと終末的な核戦争を言い始めています。

・ 『Daniel L. Davis discusses the nuclear risk in Ukraine on Tucker Carlson Tonight』(2022年10月26日 FOX)

FOXのタッカー・カールソンはトランプ支持ですが、このデイビス氏の発言はとても常識的なことです。この番組より前に私のオンラインセミナーで、デイビス氏と同じシナリオでの終末的な核戦争についてお話しをしています。世界的な終末的核戦争の可能性は極めて高くなっているのです。これが今、私たちが直面している現実なのです。もちろん、もはや日本もその例外ではありません。キシダ内閣がそうしてしまった。
そして、デイビス氏がこのようなことをしっかりとテレビで発言したことは、本当に勇気あることで、心から高く評価しています。日本人だけではなく、アメリカ人の多くが、ロシア・ウクライナ情勢を始めとして現在の世界の実相と危険性をまったく理解していません。
悪いのはロシアではないのです。このことも10月30日のブログに書きました。
欧州最大の知性と言われるエマニュエル・トッドは、ロシア・ウクライナ情勢について以下のように端的に、そして正確に述べています。


今の状況は、「強いロシアが弱いウクライナを攻撃している」と見ることができますが、地政学的により大きく捉えれば、「弱いロシアが強いアメリカを攻撃している」とみることもできます。

『第三次世界大戦はもう始まっている』(2022年 文春新書 31頁)




ウクライナを対ロシアの軍事要塞にするために英米・ネオコンは、少なくとも2013年から対ロシアでウクライナに仕掛けています。その実行者が戦争屋ネオコンや戦争屋バイデン(ハリス)・ヌーランドなどなのです。
そして、ロシアがこのような英米・ネオコンの攻撃・アクションにこれまでさらされてきたからこそ、『弱いロシアが自衛のために強いアメリカを攻撃せざるを得ない現在のロシアのリアクションに至っている』のがロシア・ウクライナ情勢実相なのです。だからこそ弱いロシアと強い英米との戦争という『第三次世界大戦』にすでになっているということなのです。
第三次世界大戦になったのは、正確には少なくとも2013年からなのですが、そこに終末的な核戦争の現実が浮上しているのです。特に現在はそうであり、その『終末』が何時になるか、もしくは運良くその『終末』を回避できるかという段階なのです。本当の本当の危機なのです。上記のデイビス氏はこの危機を回避するために立ち上がった人なのです。そして、ロシア・ウクライナ情勢を仕掛けているのは英米・ネオコンですから、この危機を乗り切るには、英米・ネオコンがウクライナから手を引く以外には答えはないのです。
このような英米・ネオコンの反ロシアの舞台にされたのが、ウクライナであって、ウクライナの人々はその犠牲者なのです。無論、ロシア人もその犠牲者です。ロシア通の人に聞くとロシアとウクライナの違いは東京と大阪ほどの違いもないということです。だからこそ、ウクライナで英米・ネオコンがつくった反ロシアの状況を改善するために、プーチンはウクライナでの戦闘を、なるべくウクライナ人を傷つけないように動いていて、だからこそロシアの動きが遅いと考えています。
ウクライナの教訓。それは狂った大国であるロシアや中国などに備えていなかったということでは毛頭ありません。その教訓は、ウクライナのように個人主義でひどい腐敗国家が、英米・ネオコンに利用されて、自国を戦場にされてしまったということのほかにないのです。これが現在のロシア・ウクライナ情勢における紛れもないウクライナの教訓。そして、日本はすでに腐敗国家になっているではないですか?
日本のテレビ報道はあまりにも英米・ネオコン側でプロパガンダやミスリードが多すぎます。その報道は間違いなく日本国民の利益を損ねています。もちろん、それは人類の利益にも反しています。現在は人類史上、最も危険な状況なのです。デイビス氏が言うようにその危険度は冷戦期よりはるかに高い、最悪の状況なのです。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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