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内容がまったく煽動でしかなくなったと考える日テレ『バンキシャ!』
[日本の政治]
2023年1月8日 21時15分の記事

本日、2023年1月8日の日テレ『バンキシャ!』では、中国での新型コロナウィルス感染状況について報じていました。ゼロコロナ政策から転換した中国では感染爆発が起きて多数の死者が出ていると言われています。この番組では、そのことについて報じ、司会者が中国にメッセージとして『感染状況の客観的な数字を示せ』とはっきりと言っていました。いずれ、このメッセージと同じものが、今度は中国国内から出てくる仕掛けになっているのでしょう。

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中国に向けて日テレ『バンキシャ!』ではこのように言っているのですが、足下を見つめれば、現状、一日の新規感染者数と一日の犠牲者数は日本がダントツトップです(Worldometerによる)。以下の記事でも現在の日本の惨状が報じられています。

・ 『WHO 世界のコロナ感染状況“最多”は中国ではなく日本 1日までの1週間で』(2023年1月5日 テレビ朝日)

・ 『日本、年末年始もコロナ世界最多 中国4位、感染実態反映は不正確』(2023年1月4日 東京新聞)


感染者が増えても、犠牲者が出なければまったく問題ありません。新型コロナウィルス問題で最大のポイントは犠牲者の数です。いかに命を守るかが問題で、そこに全てがあります。客観的な数字より、犠牲者を出さないゼロコロナ政策の方が明らかに政治として正しい方策であり、それが求められるもの。そして、犠牲者を出さないことが、言うまでもなく人権に最大に即すものです。
カゼで寝ていれば治る程度ならまったく問題ありません。しかし、一度、命が失われればその命は戻ってくることはありません。取り返しがつかない。現状、新型コロナウィルスで世界一の犠牲者が出ているということは、その取り返しがつかないことが日本で世界一起きているということです。であるのに、新型コロナウィルス感染をカゼと同一視する思考はどうしても理解できません。現状でどうして5類とかの議論ができるのか、正直、理解できません。むしろ、どうして普通のカゼなどと新型コロナウィルスを同一視できるのかと嫌悪感すら覚えます。これだけの犠牲者が出ているのに、はっきりと頭がおかしいのではないかと。
日本国民の犠牲者が世界一となっているのは、普通に考えて日本の行政当局にとって不名誉極まりないことです。無論、日本国民にとっては不名誉どころではなく、命に関わる大変な問題です。1日に400〜500名の方が命を落としているペースなら、10日で5000名、20日で1万名、30日で1万5000名です。これが1年間続けば18万人。大変な数です。このレベルの犠牲者数は、先の大戦以来のものと考えます。殺し合いの戦争をやっているのと同じレベルなのです。
そう言う状況で日本政府は無策で、何もしない。
そのような行政の失敗を国民がいつまでも許容する方がおかしい。明らかに憲法25条違反です。憲法を守らない日本の行政当局と言うことでは、明らかに法の支配、民主主義、立憲主義が、日本政府によって蹂躙されているということです。こんなのが世界での『民主主義』陣営の一員と偉そうに言っているのですから、片腹痛い。
日本国内はこのような『惨状』であるのに、日テレ『バンキシャ!』は中国での感染状況についての客観的な数字を中国当局に出せと叫ぶも、日本政府に対してはまったく何も言わない借りてきたネコ状態です。どうした『番記者』、ジャーナリズムは。これでは単なる偏向した煽動報道。
客観的な数字が出ていても、現在の日本政府のように新型コロナウィルス感染対策を何もせず、犠牲者が世界一となるようなら、少なくとも客観的な数字を出していない中国とはなんら変わらないと考えます。
それをこの日テレ『バンキシャ!』は日本は素晴らしく、非の打ち所がないとばかりに、現在の『惨状』を無視して、中国のことばかりを言う。しかし、こんな報道では、日本国民の置かれた状況は何一つ改善しないのです。
この日テレ『バンキシャ!』の報道は、まったく国民の利益になっていない。この日テレ『バンキシャ!』が日本国民にためのメディアというのなら、まず日本政府に注文を付けるべきでしょう。そうして、中国に注文を付けるのならまだわかります。そこにはジャーナリズムとしてしっかりと一貫した価値観があります。
しかし、日本政府の無策・失策とそれによる引き起こされている『惨状』にはまったく口を閉ざして、中国に対してだけ注文をつけるのなら、それは完全にダブルスタンダードです。まったくジャーナリズムとして話になりません。
こういう報道というか、放送が、日本で新型コロナウィルスによって400〜500人もの犠牲者が、現状、毎日、政府の無策によって出ている元凶の大きな要因と考えます。この日テレ『バンキシャ!』の責任は極めて重大です。

実際のところ、この日テレ『バンキシャ!』の報道は、ただ反中国のメッセージを垂れ流し、反中・嫌中感情をあおるだけの将来の戦争を見据えた戦争プロパガンダと考えます。日本国民の利益になることは何もそこにはない。昨日の本ブログ『NHK『欲望の資本主義2023』を少し観て』(2023年)でも触れたように、このようにアジア諸国と離反するような方向性は、日本国民に何の利益ももたらしません。百害あって一利なし。
この日テレ『バンキシャ!』のように中国を批判し、反中・嫌中感情をあおり、一方で日本政府に無策・失策については何も言わない姿勢は、一般的に言って、上手くいっていない自国の政治から国民に目を外に向けるための報道でしかありません。それは、典型的に悪政がはびこる社会の報道ではないでしょうか? 中国はこのような社会であると日本のマスコミは絶叫するのですが、その姿は実は日本社会そのものなのです。こういう社会は100%滅びます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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