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変わらないことが変わっていくこと
[日本の政治]
2016年5月24日 23時57分の記事

先日の日曜日は、『笑点』の50周年記念と同番組初回から出演してきた桂歌丸さんの引退が大きな話題となっていました。子どもの時から見ていた番組ですが、歌丸さんが引退と聞いて一つの時代が終わったという感慨よりも、むしろそのたどってきた道のりはやはりすごいなという想いの方が圧倒的に強くあります。

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22日の夕方から歌丸さんにとって最後の『笑点』が生放送されたのですが、その日の朝7時半から同じ日本テレビの『シューイチ』で、歌丸さんの単独インタビューを放送していました。お話しを聞いていてとても奥が深いなと思いましたが、その中でも以下のお話しは非常にすごいものでした。
歌丸さんは2006年から『笑点』の司会者になるのですが、その時、人から歌丸さんが司会になってどう変えるのかと聞かれたそうです。そして、「変えない」と答えたそうですが、その理由は「変えようと思って手を加えるから番組は失敗する。変わるっていうのは自然に変わっていくんだ」というものでした。それで、本文表題の「変わらないことが変わっていくこと」と歌丸さんはおっしゃるわけです。
このお話しを聞いていて、この20年から25年の日本においてこれほど見事な見識はないなと思いました。このお考えは何もテレビ番組だけではなく、社会のあらゆることに当てはまることです。
この25年間の日本は、実は変えることが目的化していたと考えます。手段の目的化なのですが、そのことによって実は大きな失敗を繰り返してきたわけです。
その典型例が新自由主義です。変えることによって良くなる。苦しいかもしれないが良くなると扇動して、結果、利益があるのはその扇動者だけで、全体は衰退していくという政治・経済の失敗を見事に繰り返してきたわけです。未だにこの病気にかかっていますが、その根源は皮算用の「貪欲」であり、思考においての手段の目的化なのです。
実は戦前の日本も同じように手段が目的化して国が滅びるまでいっていますが、この病気、本当に気がつかないと大変なことになると考えます。
この反対なのが歌丸さんの「変わらないことが変わっていくこと」なのですが、実はこれこそ保守主義の根幹とも言える思想なのです。さすが噺家の大御所だけあって、ひと味もふた味も違い、思想も、表現も一級です。たいそうな肩書きをもったコメンテーターなるものよりはるかにクォリティーが高いコメントです。噺家として培ったしっかりとした人間観がそこにはあるのだと思います。歌丸さんの記事が他にもあったので、以下に付しておきます。もちろん、この「変わらないことが変わっていくこと」というのは、政治においても、そして憲法においても通じることです。変えることが目的の憲法改正などというのは、新自由主義と同じ、百害あって一利なしなのです。

「『笑点』卒業の桂歌丸が戦争に危機感
『笑点』卒業の桂歌丸が語った戦争への危機感…落語を禁止され、国策落語をつくらされた落語界の暗い過去」(2016年5月22日 リテラ)

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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