ポイントは日本人を人間と思っていないこと | |
[日本の政治] | |
2016年5月25日 23時55分の記事 | |
本ブログ「抗議だけではパフォーマンス」(2016年5月22日)では、沖縄県うるま市の島袋里奈さんの事件だけではなく、その後発生した在沖米兵の飲酒運転事案を見ても、これらに共通して人間性への軽視があると申し上げました。
5月24日のテレビ朝日『報道ステーション』で、あるオーストラリア人女性のことが取り上げられていました。彼女の名前はキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんで、番組では彼女が「沖縄の状況を改善して欲しい」と外務省に訴えている場面から彼女についての報道が始まりました。彼女は14年前、横須賀で米兵から暴行(レイプ)されたのですが、当時、彼女は彼女自身が初めての米兵に性犯罪を受けたケースと考えていたそうです。しかし、調べるとそうではなく、沖縄では数多くの被害が起きていたことを知り、強い衝撃を受けたといいます。そして、彼女は立ち上がり、これまで数々のことをしていますが、その一つが今回の外務省へ訴えるという場面になるわけです。彼女のその決意をもった強いお心に心から敬意を表しますが、彼女は、番組でなぜ日本の政府に怒りがないのかと問いかけています。 彼女は彼女自身のケースにおいて彼女は立ち上がり闘っています。今の日本にそういう強い「こころ」は間違いなく必要でしょう。彼女についての記事がいくつかありましたので、以下に付します。 「米軍関係者による犯罪、なぜなくならないのか 女性遺棄」(2016年5月22日 朝日新聞) 「レイプ被害の体験記出版 強いられた闘い今も キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん」(2015年6月13日 東京新聞) 「レイプ被害の豪女性、正義貫いた12年自伝に」(2015年5月27日 朝日新聞) 「Q+リポート 米兵の性暴力被害と戦う」(2014年1月31日 琉球毎日放送) 番組で彼女は、沖縄で6歳の子どもがレイプされ、遺棄され、その一週間後に今度は9歳の子どもがレイプされたと事件を述べています。今回の島袋さんの事件もそうですが、そこには人間性はなく、それだけではなく、その非人間性は蔓延し、改善の徴候などなにもないわけです。そして、その非人間性のターゲットになっているのが、沖縄であり、フィッシャーさんもその犠牲になったわけです。 以下の記事にあるように、このような状況が性風俗云々で解決できるようなものではないことは明らかですが、そのように考える御仁がいたとしたらそれはあまりにお気楽な議論であることは間違いありません。基本的に状況認識が甘いのがこの方の特徴です。 「橋下徹が沖縄米軍軍属の事件でまた女性差別丸出し『日本の風俗活用』を主張! まさかこんな人物が五輪開催地の知事に」(2016年5月22日 リテラ) 米国大統領選挙を賑わしているドナルド・トランプ氏の「日本を守ってやっている」、「日本の安保ただ乗り論」も、このような負の側面を知らない上での発言と考えます。むしろ、このようなことを知らないで「日本を守ってやっている」という発言は、実は極めて非人間的で、傲慢の局地であるわけです。 米軍の世界展開と世界戦略において守ってきたのは、「ドルの覇権」です。基軸通貨というお札を印刷すればなんでも買えることを守ってきたのが、米軍であるわけです。そして、米軍はその基軸通貨をもつことによって世界展開ができるというこの両者は持ちつ持たれつの関係であるわけですが、そのシステムの一環が沖縄を初めとする日本の米軍基地であるわけです。 米国は、このシステムから莫大な利益を得ているわけで、ただボランティアで日本を守っているわけではもちろんないわけです。言うまでもなく日本もこの利益にあずかっていますが、米国が得ている利益ははるかに大きいわけです。その米国が得てきた利益を無視して、「日本を守ってやっている」、「日本の安保ただ乗り論」というのは、そもそも暴論であるわけです。 その上で、沖縄などが被ってきた非人間的な仕打ちを無視して「日本を守ってやっている」というのは、その発言自体が極めて非人間的であるわけです。 米国人がみな、そういう考えではないのは確かです。そして、米国人自身もこのシステムの犠牲になっているわけです。しかし、トランプ氏のような発言が出、そしてそれが支持される構造の中に、負の側面、本当の状況を知らないで物事を考え見つめる日本人への視線があるのは間違いのないことです。そのポイントは日本人を人間だとは思っていないことであると考えます。フィッシャーさんが言うとおり、日本政府は怒らなくてはいけないと考えます。そのような必要な対応をしないが故に、この非人間性を増幅しているものと考えます。そして、そのような状況は、日米両国を資することは間違いなくありません。 | |
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