本質は触れられないまま−−沖縄問題と経済? | |
[日本の政治] | |
2016年5月26日 23時53分の記事 | |
本日のテレビ朝日『報道ステーション』では、沖縄に初めて来た米海兵隊員の研修マニュアルの内容が取り上げられていました。
この研修マニュアルは、イギリス人ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんが情報公開請求で最新の資料として手に入れたもので「沖縄文化認識トレーニング」と呼ばれるものです。基本的にこのマニュアルは沖縄の歴史や文化を学び、また県民の米軍に対する見方を示すことと番組では紹介されています。しかし、一方で問題と言える記述があり、例えば、多くの県民は軍用地料が唯一の収入源で基地の早期撤去を望んでいないとか、基地関連で事件や事故が起きたとき沖縄は必要以上に騒ぐとか、沖縄の世論は論理的より感情的であるなどの記述です。また、通常は基地の賛否は拮抗しているが、ひとたび犯罪が起きるとメディアの報道で反基地感情が高まり、沖縄の二紙(琉球新報と沖縄タイムス)は内向きで視野が狭く、軍に反対するプロパガンダを売り込み、情報が限られている県民は色眼鏡を通して物事を見がちだとも記述されています。 実際は、軍用地料を受け取っているのは沖縄県民の3%に過ぎず唯一の収入源とするにはあまりにも無理があるでしょう。また軍用地料を受け取っているのは県外の人もいるわけです。かなり偏った見方であることは間違いありません。 沖縄の世論は論理的というより感情的というのも、今回のような事件があったり、これまで様々な事件がある場合、感情的になるのは仕方がないことでしょう。そもそも沖縄の歴史は、虐げられ、被害を被った歴史ですから基地があることに大きな抵抗感は底流にあることは間違いないでしょう。その中で同胞が被害に遭えば、当然、感情が爆発するわけです。 ただ、沖縄の人は、そもそものんびりしている方ではないか、つまり寛容なのではないかと考えます。その沖縄の人が怒るのはかなりのことであると考えるべきなのではないかと考えます。本土では昨今、保育園すら騒音問題などでつくることができないほどになっているのですから、沖縄の問題が本土にあればもっと大変なことになるのは火を見るより明らかなものと考えます。 沖縄の二紙については、この二紙で99%のシェアを占めているのが沖縄です。所謂、全国紙はそれぞれ0.5%に満たないシェアです。大抵、地方紙というのは、その地方一紙で概ね6割の発行シェアですから沖縄は特別な地域です。ただ、地元紙というのは一面が当然、地元の情報です。その地元で大事件があれば一面を飾るのは必然であって、それをプロパガンダと言うのは少しいきすぎでしょう。各地の地元紙が6割の発行シェアを占めているということでも当然、同じような状況が程度の差はあれ出てきますから、このことだけの問題ではないでしょう。それに全国紙を読めばすべて正しいことを把握できるとも考える人は少なくなっているでしょう。そこにも当然バイアスがかかった情報があり、それを鵜呑みにしては情報は読めないでしょう。この二紙に関する記述はほとんど意味がないものと考えます。 それにしても日本の政治家などがどこかで言っていたようなことが書かれているのは、単なる偶然なのでしょうか。私はそうは考えません。 また、このマニュアルでは、沖縄の繁華街ではガイジンがもて、社会の大半が良しとしない行きすぎた行為に及ぶものがいると書かれています。所謂、昔、よく言われたイエローキャブということですが、これは沖縄の人々すべてのことなのでしょうか? 明らかにそうではないでしょう。「社会の大半が良しとしない行為」なのですから、社会の大半ではないと言うことです。しかし、このようなことをクローズアップすれば、当然、歪んだ沖縄像ができあがるでしょう。 このマニュアルを入手したジャーナリストのミッチェル氏は「自分たちはアメリカ人だから沖縄の人々、特に沖縄の女性より上だ」という考えをもつようになると指摘しています。それは間違いのないことでしょう。本ブログ「ポイントは日本人を人間と思っていないこと」(2016年5月25日)などで米兵の沖縄や日本への意識の指摘をしましたが、沖縄の事件を見ていると軍事面だけではないもっと根底的な意識の問題があると考えます。そして、このような状況を日本政府も許してきてしまったのだと考えます。特に親米的な人々が、実は結果として同胞を苦しめているとも考えます。しかし、このような状況は日米両国ともに利益には繋がらないでしょう。一刻も早く問題の根源を見つめ直して、将来の状況を考えて行くべきだろうと心から考えます。 | |
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